雪の魔女の洞窟(プレイ日記)


【第9回】 エルフの憂鬱

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 12/19
 運点 … 8/9
 特筆点 … 魔神をプリズムから救い出した、<グル・サン・アビ・ダァル>
 金貨 … 250
 食料 … 5
 飲み薬 … ツキ薬(原運点+1の値まで回復)
 所持品 … 剣、戦鎚(ハンマー)、マント、魔法の銀の笛ルーン文字の刻まれた棒、<勇気の護符>、石投げと鉄の玉2つ、金の指輪、銅の指輪、ミノタウロスの角の粉末ニンニク、龍の卵、四角い金属板

〔285〜〕
 通路は間もなく丁字路になる。へ歩いていくと、地下道はやがて行き止まりになる。突き当たりの壁の鉄釘に装飾を施した盾がかかっている。さっきの短剣みたいに突き立てられた痕とかはないだろうな。よし、盾を持っていこう。私が盾に触れるや否や、一陣の風が轟音とともに地下道に吹いてきた。危うく3人はなぎ倒されそうになる。にわかに、行く手からつむじ風が巻き上げて迫ってくるのが見える。岩でも石でも通り道にあるものは何でも呑みこんでいる。これは風の所為…いや、風の精だな。ならば、さっき憶えたあの文句…何だったかな……メモを見ると……あ、思い出した。<グル・サン・アビ・ダァル>だ。
「グル・サン・アビ・ダァル!」
 風は現われたときと同じくらい唐突に消え、全てがまた穏やかになる。どうやら盾を取り上げたことが風の精の怒りを解き放ってしまったようだが、もう大丈夫だ。私はを腕に固定する。ぴったり合う。技術点に1を加える(ですが、原点数…)。そして、丁字路まで引き返し、今度は右へ進むことにする。
 地下道の行き止まりはまた別の扉になっており、古びた羊皮紙が1枚留め付けてある。色あせたインキで文字が書かれているが、私の知らない言語らしく、何と書いてあるかわからない。
「これは一体何て書いてあるんだろう?赤速、わかる?」
「どれどれ…ああ、これね。わかるよ。読んであげようか?」
「うん、よろしく頼むよ。」
 エルフはいくつもの言語を話すと聞いているので、赤速なら知っていると思ったが、案の定だった。やはり、持つべきものは仲間だなあ。そんなことを思いながら赤速を見るが、どうも様子が変だぞ。読んでいる赤速の目が恐怖に見開かれている。
「ザユホネカヤ。ラトネメシサ、ツルホドサミ、ワマ、ナ<ヲメヤザネサ>、ヘネメソマ、ワザメネケ!!」
「どうしたんだい、赤速。何て書いてあったんだい?」
「わしも知りたいのう。何せ、わしの背ではその羊皮紙を見ることすらままならん。」
 しかし、赤速はスタブと私の質問には答えず、羊皮紙を扉から毟り取り、細かく引きちぎった。そして、ランタンの火で羊皮紙の破片を燃やしてしまう。
「行こう。時間がない。」
 そう言って、扉の取っ手を回して先に行ってしまう。
「あ…ちょっと待った、ねえ、一体何て書いてあったんだよ。」
「わしも知りたいのう。」
「何でもないったら。」
 赤速は明らかに何かを隠している。
「何でもなくはないだろう。ねえ赤速、本当は何て書いてあったん……」
「うるさい!」
 いきなり赤速に怒鳴られ、スタブも私も言葉を失った。いつもの赤速からは信じがたい表情に、2人はそれ以上何も言えなかった。
「あ…ごめん。何でもないんだ。本当に。」
 私とスタブは顔を見合わせ、肩を竦(すく)める。そして、心配事ができたらしい赤速に黙って従うことにする。
 扉は別の地下道へと通じている。数メートル進んだのちに頭上の鍾乳石から水が絶えず滴っている場所にさしかかる。これまでとは様子が違う。こんな鍾乳石などなかったからな。とすると、出口は近い?それにしても、水は無害に見えるが、この寒さでは濡れるのも冷えるのも御免蒙りたいところである。私は、さっき手に入れたで頭を覆ってこの静かな滝の下を歩く。そして、2人が使えるように、盾を2人のところへ投げ返す。
「ほら、赤速。」
 しかし、赤速はぼんやりしていて盾を受け止め損ねる。…やはり、原因はさっきの羊皮紙と見て間違いない。しかし、なぜ…。最後にスタブが鍾乳石の間を通り、全員無事に渡ることができた。後で分かることだが、実は水に見えたものは強酸で、盾を持っていなかったら火傷を負うところだった。酸を盾で受け止めたところが溶けていることでそれが分かった。
 地下道はまっすぐに延びている。やがて、洞窟の中に出る。壁は氷で覆われ、中央にある氷の台座の上に大きなガラスの球が乗っている。いきなり向かい側の地下道からオークが一人駆け込んでくると同時に、球が光を放ち始める。球の中に人の顔の輪郭が浮かび出す。その顔は、先程倒した雪の魔女だった!そんな……嘘だろ。
「雪の魔女様、そやつらを倒しに参りました。」
「ええい、何を今更。この役立たずめが。もはやお前たちに用はない。」
 球の中の顔がオークに向かって念を送る。途端に、オークの首輪が絞まり始めた。それを防ごうとオークは両手で首輪をつかむが、結局は無駄に終わる。
「魔女様…何卒(なにとぞ)……ご慈悲を…………」
 しかし、オークの願いも空しく、間もなくオークは声もなく床に倒れる。
 球の中の顔は笑い出し、続けて寒気がするような声でこちらに向かって言う。
「そちはわらわを倒したが、わらわを滅ぼすには至っておらぬ。わが霊だけでもそちを負かすことはできるのじゃ。そちたち2人がまだ服従の首輪をつけているのも知っておる。オークと同じように、そちたちも死ぬがよい。そちたちの友人であるこの無礼な戦士にあたえる取っておきの苦痛の前景気として。」
 嫌がる相手を無理やり服従させておきながら、自分の勝手な都合で亡き者にするという、何て悪辣非道な女なんだ。こんなど腐れ女は奈落の底に突き落としてやりたいところだが、今はそれどころではない。赤速とスタブがなす術もなく死んでいく様を見ていることはできない。何とかして雪の魔女の霊を滅ぼす方法を考えなくては…。
 A:剣で球を叩き壊そうと試みるか?
 B:(持っていれば)石投げで球めがけて鉄の玉を発射するか?
 C:洞窟を向かい側の地下道まで駆け抜けてみるか?
 Aはまずいだろう。剣で球を叩き壊せるくらいならば苦労はないって。Cは球に背中を向けることになるし、第一これでは仲間を見捨てるようなものである。ということでBだ!私は急いで石投げに鉄の玉を仕掛ける。見ていろよ、このわがまま女。鉄の玉で球を粉々にしてくれるわ!ここで技術点チェックをする。DD≦技術点で成功(ですが、現在の技術点12ですから自動的に成功します)。
 鉄の玉はまっすぐ正面に飛ぶ。雪の魔女の球に見事命中!だが、次の瞬間白い光の矢が球からこちら目がけて迸る。運だめしを行う。DD=7≦8でだ(運点:8→)。私は咄嗟に床に伏せて、エネルギーの矢が頭上を通り越して後ろの洞窟の壁にぶつかるのを見る。すごい音だ。洞窟の壁が大きく抉れている。こんな攻撃を受けたらひとたまりもないな。起き上がって、雪の魔女の球を見てみると……よし、ひびが入っているぞ。だが、魔女は何ともないらしい。魔女はこちらを慎重に見守り、次の動きを待ち構えている。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 12/19
 運点 … /9
 特筆点 … 魔神をプリズムから救い出した、<グル・サン・アビ・ダァル>
 金貨 … 250
 食料 … 5
 飲み薬 … ツキ薬(原運点+1の値まで回復)
 所持品 … 剣、戦鎚(ハンマー)、マント、魔法の銀の笛ルーン文字の刻まれた棒、<勇気の護符>、石投げと鉄の玉1つ、金の指輪、銅の指輪、ミノタウロスの角の粉末ニンニク、龍の卵、四角い金属板、
 (Save Number:336→262)

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2014/05/07


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