フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第126回】ついに揃いし8国王の血

 アイビス達の登場に驚いたのは、あたし達だけではなかった。



 神は魔族と結託し、フィンブルの冬に一番協力しやすそうなルーシ帝国に目をつけて利用したってことね。
 ということは、まだルーシ国王の血は抜かれていなかったのね。これはあたしの誤算だったわ。でも、これも読みのうちに入っているわよ。
 それにしても、ルーシ皇帝は、ブリタニア前国王とは違った意味で間抜けね。どちらも「自分が絶対に正しい」と信じて疑わなかった愚かさは共通しているけれども。
 アイビスの言葉に、ヴィリも合点がいったようだった。



 今、ここで大陸の8国王の血が魔族の手に渡った。エンゲルスもその場でヴィリに殺されてしまった。マルクス教徒の教皇にしては呆気ない最期だったわ。
 ヴィリは、今度はアルベルトを目掛けて……。
「ここは私にお任せを! 殿下は下がって!」
 アレクの行動は騎士隊長の判断そのものだった。確かに、神との戦いにおいてはアルベルトよりもあたし達の方が実績があるものね。
「ほう、貴様が相手か。ではいくぞ!」



 アレクは氷天三連突、あたしは国歌、リーゼルは聖なる息吹、クリスはヴァルキリーズジャベリンよ。
 あたしの国歌の後、アレクがエンジェルナイトを、クリスがミノタウロスを倒した。
 ヴィリはニュークリア(あたし達全員に1000前後のダメージを与える)を唱えたり、瞑想(ヴィリのHPが2000前後回復する)をしたりしたけれど、あたしの超癒しの歌や他の3人の攻撃の前には押され気味だわ。



 21000の経験値と2500マルク、そしてマナアップを手に入れたわ。



 待ちなさい、アイビス! あたしは咄嗟に矢を放った。しかし、アイビスは姿を消していた。
 まあ、こうなるのは予想していたけれどね。漁夫の利ばかり得るアイビスめ、次に遭う時があんたが地獄に落ちる時よ。



 アレク、そんなに落胆することはないわよ。ヘンリー4世が殺された時点で、8国王の血が魔族の手に渡ったと見ていたんだから。



「フョードルグラードへ……ですか。」
 アレシアのときもそうだったけれど、敵対している国へ使者として行くのは結構精神的に参るのよね。
「頼む。火急なのだ。今夜はゆっくり休んでもらいたい。私もその間に書状を認めよう。」
「分かりました。」
 アルベルトもアレクもクタクタなのよね。その分、あたし達がアレクを支えなくちゃ。
 翌日、あたし達はフョードルグラード城に向かった。



 ログハウスは既に片づけられており、その先にお城が見えた。ここね。
 多分、門番に呼び止められるでしょうけれど、そのときはそのときね。



 ほら、きたわ。
「私達はバイエルン王国の使者である。アルベルト公爵からの親書もある。現在貴国とは敵対関係にあるが、お通し願いたい。」
「城は、城下町の北側にある。だが、変なマネをしてみろ。ただじゃすまねえぞ。」
「承知した。」
「用が済んだら、さっさとお前たちの国に帰れ。言っておくがな、第1皇子のミハイル様を殺しておいて停戦もクソもないからな。」
 以前のアレクだったら、無礼な門番に対して応戦していたことでしょうね。でも、今のアレクはそういった罵声も軽く受け流すようになったわ。
 この門番はミハイル殺害の真相を知らない『下っ端の門番』だから、仕方がないわね。
 それから、城の入口の兵士達にも呼び止められたわ。



 あなた達『下っ端の門番さん』がそう思うのも無理はないわね。
 でも、その疑いもいずれ晴れるわよ。あたし達の正当性が立証されても、あなた達『下っ端の門番さん』があたし達に同じことを言えたらいいんだけれどね。


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2022/09/10


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