フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)
【第118回】ウンディーネの復活
サラマンダーは、この神が何者かを知っているようだった。
別に、知っているから容赦してもらおうなんて、あたし達だって思っていないわよ。それに、そっちが容赦してもこっちは容赦しないから、覚悟しなさい。
この洞窟に入ってからの中ボス戦はリンドワーム戦に次いで2戦目だけれど、今度の戦闘が終わったら本陣に帰れるから、心おきなくスキルを使っちゃいましょう。と言っても、初回は手堅く、アレクは氷天三連突、あたしは国歌、リーゼルは聖なる息吹、クリスはヴァルキリーズジャベリンを使うわよ。
ヴィーザルが先制……したのはいいけれど、何で防禦するの? まあいいわ。それでもあたし達は攻撃するから。
アレクとリーゼルが先制してエンジェルナイトを1体ずつ倒したわ。さあ、あとはヴィーザルだけよ。
アレクが久しぶりに桜花細氷斬を使った。1回あたりの攻撃力は氷天三連突より上なんだけれど、ダメージが氷天三連突の3倍にはならないから、やはり氷天三連突の方が効率がいいみたいね。
瞑想によるHP回復もまあまあいいけれど、でも、あたし達の攻撃の前には焼け石に水よ。
思ったよりそんなに強くはなかったわ。でも、それはヴィーザルが弱いんじゃなくて、あたし達が強くなってきているってことよ。
この戦いで、24900の経験値と2700マルク、そしてヴィーザルの靴を手に入れたわ。
アレクはレベル51に、あたしとリーゼルとクリスはレベル54に上がったわ。
「何……私が…グウワァァァ!」
断末魔の悲鳴がリンドワームと一緒って、どういうこと?
って、消滅したヴィーザルはもうどうでもいいわ。早くウンディーネに水の水晶を。
はい、そこでいちいちアレクの手を握らないの。
「アレクよ、御礼と言ってはなんだが、そなたの面倒はこのウンディーネが一生見ることにしよう。何なら、そなたと私が一つになっても良いのだぞ。」
それはもっとだめよ。そんなことをしたら、アレクは永遠にウンディーネの身体の一部になってしまうわ。
「ウンディーネ、私の面倒を見る云々は、その気持ちだけ受け取っておこう。今は、あなたから色々と聞きたいことがある。」
そう言って、ウンディーネはあたし達に目を閉じるように言った。
まさかアレクに口づけを……とはならないわね。多分、この洞窟から出るだけだわ。
ほらね。
「さて、本陣に戻りますか。」
ソフィーが言った。でも、もう一つの洞窟を通って行くのは面倒よ。
そうだわ。こんなときこそ『例の物』よ。南の洞窟に入ったときに『例の物』を使って、外に出るのよ。
もしかするとまたここに戻ってきてしまうかもしれないけれど、そのときは諦めて歩いて帰るだけだわ。
「えいっ!」
やった! 今回初めて例の物を脱出用として使ったわ。リヒターに感謝しなくちゃね。
あたし達が本陣に入ると、既にバイエルンの門番兵士が出迎えていた。
「アレク隊長、お疲れ様です。アルベルト殿下の下にご案内いたします。」
アルベルトがウンディーネに聞きたいことは、多分あたし達もウンディーネに聞きたいことよ。
次回に続くわ。
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2022/09/02
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