フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第105回】レオンの新国王

 アレクはやっとのことでジルベルトに話しかけた。
「ただいま戻りました。」
「おお、使者殿。よう戻られた。もう話しかけてもらえないものかと思っておった。



 って、ジルベルト、さっきからずっとあなたの目の前(斜め前だけれど)にいたわよ。まあ、これも作者さんの仕様と言えば仕様なんだけれどね。
「うむ、私が地の精霊ノームじゃ。そなたが国王じゃな?」
「うむ……。」
 突然のノームの出現に、ジルベルトも困惑して言葉が出ないようね。
「ではアレクよ、地のオーブは国王に返すが良い。」
 ということで、アレクはオーブを国王に返却した。
「確かに受け取ったぞ、使者殿。しかし、一体これはどういうことじゃ?」



「巨人? 知らんぞ、わしは……」
 まあ、知るわけないわよね。だって、ジルベルトはラツィオ山に行ったことがないって言っていたんだから。
「では、何のために地の洞窟に来たのじゃ、アレクよ。まさか、わざわざ私に逢いに……」
 ノームがアレクの手を握った……って、それはだめ!
 と、ここで、アレクの携帯電話が鳴った。アレクは手が放せそうにないとのことで、ビアンカが出た。
「兄よ。何か人様に迷惑をかけるようなことをしたのか。」
 大陸一の魔法使いと言われるアルベルトも妹の言葉には形無しね。



 ここで、ビアンカからアレクに携帯電話が戻ったわ。
 あたし達の次なる目的地はレオン王国よ。レオン王国の秘宝である火のオーブを使って、火の精霊を呼び出すのよ。アルベルトによると、レオン王国の前王アルフォンソの弟のフェリペが新国王に即位したらしいわ。詳しい話はレオンに行ってからのお楽しみね。



 みんなの反応はさまざまだけれど、あたし達を全面的に支持してくれているのは間違いないわ。
 御名残惜しゅうございますが……って、ちょっと古いかも。あたし達はラツィオからレオンに向けて出発した。



 ここは、レオン城の南にある港、そしてその南に見える島がレオンの火山島ね。多分、ここへもう一度来ることになるんだろうけれど、今はレオン城へ行って火のオーブを貸してもらわなくちゃ。
 さあ、レオンに着いたわよ。新国王フェリペの評判はと言うと……。



 フェリペの評判もなかなかいいじゃないの。でも、一つ気になることがあるわ。王妃はやっぱりセシリアなの?



 やはり王妃はセシリアのままなのね。でも、そうすると色々な問題が想定されるわ。
 婚前のセシリアとしてはアルフォンソとフェリペのどちらと結婚しても良いと思っていたことは間違いないでしょうけれど、結果的にはフェリペは「恋の敗者」という見方もなくはないわ。敗因も、アルフォンソの方が年上であるという理由だけだったのでしょうね。「女の恋は上書き保存、男の恋は別名保存」とはよく言われるけれど、セシリアがフェリペを見つめるときでも故人が心のどこかに残っているかもしれないし、セシリアもフェリペに処女を捧げることは叶わなかったことになるわ。王妃セシリアは「本命」のアルフォンソがいなくなったから「予備」のフェリペを夫に迎えたという意地悪な見方をする人も出てくるでしょうしね。あ、もうそういう見方をしちゃっているか。あたしが。
 尤も、これらは飽くまでもあたしの推測・憶測に過ぎないから、フェリペとセシリアがお互いどう思っているかによるでしょうね。これも天命と言えば天命よ。



 よかった。セシリアに笑顔が戻って来て。アルフォンソを忘れろとは言わないわ。でも、フェリペとうまくいかないときにアルフォンソのことを口に出すのはおやめなさい。それはフェリペにとっては「死ね」と言われるよりも辛いことでしょうから。あなたが処女であろうがなかろうが、あなたが立ち直れたのはフェリペのお蔭と言っても過言ではないわ。
 では、いよいよ新国王フェリペとの挨拶に移るわ。



 作者さんの御都合主義に、フェリペも漸く気づいたみたいね。
 ほら、かかってきたわ。
「やれやれ。私の言った通りであろう。」
 まあまあ、フェリペ国王、落ち着いてくださいナ。
「はい、アレクです。」



 これまで不機嫌そうなフェリペも、アルベルトからの即位の祝辞を聞いた途端に笑顔になったわ。そう言えば、フェリペの笑っている顔って初めて見た気がするわね。自分の即位だけでなく、セシリアの笑顔も取り戻せたことについて笑っているのならばこの先もうまくいくと思うわ。どうやら、あたしの思い込みや思い過ごしが強かったようね。
 セシリア、フェリペと幸せにね。


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2022/08/20


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