フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第103回】地の精霊の依頼

 そこは、広い部屋だった。もしかして、ここに地の精霊ノームがいるの?
 部屋の奥に進むと、祭壇があった。



「よし、ここでオーブを使ってみよう。」
 アレクはオーブを祭壇の供物台に置いた。
 突如、部屋全体が揺れた。キャッ!
 みんな、大丈夫? あたしはアレクにつかまるから平気よ。
「こら、どさくさに紛れて隊長に抱きつかないの。」
 ソフィーにばれちゃった。
 そうこうしているうちに、揺れが治まったわ。祭壇がいつの間にかなくなっているわよ。
「では、奥へ進むか。」



 あら、この人、さっき道を塞いでいたじゃないの。あなたが地の精霊ノームね。



 そうよ。
「精霊が女だから、驚いたじゃろ。」
 いいえ、驚かないわ。だって、風の精霊シルフも女性でしょ。
「おお、そなた達シルフを知っておるか。ならば話は早い。私の頼みを聞いてはくれぬか? おお、聞いてくれるのか。何ともありがたいことじゃ。」
 何でそうなるの? この人(精霊)、勝手に暴走しているわ。
 ノームが言うには、この洞窟――ノームの棲む洞窟が巨人に乗っ取られたんですって。ノームは祭壇に結界を張ってここを守るだけで精一杯だそうよ。だから、その巨人を倒してきて欲しいらしいわ。
「そなたらが私を呼び出した理由はわかっておる。エルフの歌姫よ、そなたの養祖父の命と引き換えにシルフを助け出してくれたこともな。」
 ええっ、どうしてそんなことまで知っているの?
「聞いたのじゃ。そなたの足音が奏でる悲しみを。」
 足音一つでそんなことまでわかるの? 流石は地の精霊ね。
「シルフの件も含め、そなたらには協力しても良いと思っておる。じゃが、戻って来て住処がないのはちと困るのじゃ。」
「確かにそうよね。」
 リーゼルが呟いた。
「おお、聞いてくれるか! 礼を申すぞ。」
 随分気の早い精霊だこと。でもいいわ。こういうのは持ちつ持たれつよ。



 ノームの差し出した手には、千鳥十文字が握られていたわ。これはクリス専用の武器よ。リーゼルママの店で買っちゃったけれど、予備のために持っておくのも悪くはないわ。このゲームに、敵に武器を壊されるという仕様があるのかは分からないけれどね。
 ありがとう、ノーム。
「では、頼んだぞ。」
 そう言ってノームはアレクの手を握った……って、ダメよ! アレク、あんたも自分から手を振りほどきなさい!
 リーゼルとクリスとソフィーは、呆れ顔であたし達を見ていたわ。あらいやだ、恥ずかしいわ。



 ノームの結界から出ると、さっきまでいた「ノームの分身」はもういなかった。あたし達は「許可」を得たってことね。
 先へ進みましょう。



 この巨大な緑色のクリスタル、邪魔ねえ。これまでもこういった巨大なクリスタルが道を塞いでいたことはあったけれど、やはり今回も、どこかに仕掛けが施されているのかなあ。
 仕方がないから、緑色のクリスタルの下の通路を進むわ。



 また怪しい床が現れたわ。バジャルドの廃墟では、この床を踏んだ途端、下に落っこちたのよね。
 でも、他に進み道がないのなら、この床を踏むしかないわ。
 カチッ。パカッ。
 ほらね。落とし穴だったでしょ。あたし達も2度引っかかるほど間抜けではないわ。罠を避けたのはいいけれど、先へ進めなくなっちゃったわね。やっぱり、この落とし穴に入るしかないのかしら。幸いにして、落とし穴の深さはそれほど深くなく、普通に飛び降りても大丈夫なくらいよ。
「ここで、これが役に立つ。」
 そう言ってアレクが取り出したのは、ワイヤーロープだった。何でも、バイエルンの騎士隊長格になると、王国軍から支給されるらしいわよ。
 アレクは、ワイヤーロープを床に引っかけた。
「みんな、このロープで下に降りてくれ。このワイヤーロープで上に上がることはできないが、下に降りることくらいはできるからね。」
 まずソフィーが、続いてクリス、リーゼル、あたしと続いた。全員がワイヤーロープで下の床に無事着地したのを確認してからアレクがワイヤーロープを使って降りてきた。
「これでよし、っと。」
 そう言ってアレクはワイヤーロープを回収した。凄いわ、流石はあたしのアレクね。



 取り敢えず、先に進んでみましょう。道中、スパイダーエンジェルやサキュバスやヴァンパイアやミノタウロスといった面々に逢ったけれど、大したことないわね。アレクがレベル38に、あたしとリーゼルとクリスがレベル40になったわ。
 途中の宝箱から命の指輪を手に入れた。この指輪は歩くごとにHPが回復していく貴重な指輪だけれど、あたしはもう風の腕輪を着けちゃっているわ。アレク、HPが一番低いあんたが着けなさい。それからだんだん道が細くなってきた。次に開けたのは赤い宝箱だった。そうすると……分かるわよね。そう、ミミックよ。けれども、クリスがあくびをしながら千鳥十文字でミミックを突き刺していたわ。この分だと、次は寝ながら倒すんじゃない?
 魔法陣があったので、HPとMPを全回復したわ。巨人は近いわね。



 一本道となり、やがて……。



 いたわ! あれがノームの悩みの種ね。
 巨人も神と結託しているに違いないわ。この巨人、アトラスとかじゃないかしら? それは、次回わかるわ。


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2022/08/18


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