フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第95回】獅子身中の神

 次の瞬間、キャメロンの姿が変わっていった。



「陛下!」
 アーサーはブリタニア王を庇うようにして海神ニョルズの前に立ちはだかった。
「アーサーよ。よくぞこのカラクリを見破った。だが、私がキャメロンと信じて疑わなかった貴様は愚か者だ。それにしても、なぜ身を挺してこんな奴を守る? 貴様に対して横柄な態度を取ってきたではないか。」
 いいえ、アーサーはあなたを信じてはいなかったし、疑ってもいたわよ。ただ、証拠がないから、アーサーもキャメロンを処分できなかっただけ。それに、アーサーはブリタニア王に恩義があると言っていたわ。口からではなく、本心からよ。そうでなければ、こういう緊急時にブリタニア王を庇うなんて行動はとらないわ。
 それにしても、神が子爵に化けていたとはね。あたしもそこまでは気づかなかったわ。獅子身中の虫、いや、獅子身中の神とはあんたのことよ!
「のけい、アーサー!」
 海神ニョルズは国王を庇うアーサーを一撃で払いのけた。
「グアッ!」
 アーサーの身体が宙を舞う。
「ウグッ……助けたいが、防護障壁が邪魔して入れない……」
 アレク、あまり無理をしないで。



 また出てきたわ。SMの女王がヘンリー4世に歩み寄る。
「させるか!」
 あたしはSMの女王にグレートクロスボウを放つ。でも、防護障壁で矢はあさっての方向へ飛んで行った。
「どこを狙っているのぉ〜。じゃああたしはいただきまあす。」
 SMの女王はブリタニア国王を穢し、血を抜いた。これで、ブリタニア王の血もとられてしまった。
「ぐおおおおおっ!」
 何と、アレクが防護障壁を打ち破ったわ。



 このSMの女王はアイビスっていうのね。今更名前を知ったところでどうにもならないけれど、残念ながらアイビスを捕まえることはできそうにないわ。
 せめて、このニョルズだけでも倒さなくちゃ。



 アレクは氷天三連突、あたしは国歌、リーゼルは聖なる息吹、クリスはヴァルキリーズジャベリンを使うことに。
 まずはクリスのヴァルキリーズジャベリンでミノタウロス2匹を倒したわ。そして、リーゼルが聖なる息吹でニョルズを暗闇に閉ざしたわ。その効果があって、ニョルズはあたし達にダメージを与えられない。次のターンでニョルズは瞑想を行った。これによってHPが1984回復したけれど、そんなもの焼け石に水よ。



 最後はあたしがとどめを刺したわ。今回は無傷で倒せたのが大きいわよ。
 この戦いで経験値12900と2300マルク、そして日光一文字を手に入れたわ。
 アレクがレベル32に上がった。



 ニョルズは大した敵ではなかったが、ヘンリー4世の血が魔族の手に渡ってしまったわ。これでフィンブルの冬が完成してしまうのね。
 会談は中止になり、明日ブリタニア王国のエディンバラ城にて改めて会談を行うことになったわ。
 そして、あたし達もその会談に出席するよう大臣から依頼があった。
 宿屋にて、アルベルトから連絡があった。
「今回の件、誠にご苦労であった。明日の会談が済んだらバイエルンに戻ってくるがよい。」
 アレクは落胆しているようだった。確かに、これでルーシ以外の7国王の血を抜かれてしまったのだから。
 でも、これはアレクのせいじゃないわよ。誰が行ってもそうなっていたに違いないわ。



 こういうことは、やはり権威のある人が言った方がいいわよね。形式的ではなく、実質的に権威のある人が。
 取り敢えず、今夜は休むことにして、明日会談が終わり次第、バイエルンに帰ることになった。
 エディンバラの人達の反応は……。



 あたし達からすると「間抜けな」国王でも、国民からは支持されていたようね。これもまた1年くらいしたら本当の評価が分かるかもしれないけれどね。



 あたし達は、城の会議室に通された。



 城の会議室には、ブリタニアの王妃と姫と大臣、カーディフのアーサー公爵がいた。ニーナもいる。そして、使者はあたし達5人よ。
 続く……。


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2022/08/12


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