フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)
【第９０回】国外退去
あたし達は、魔族達の最後の標的とも言えるブリタニア城まで来た。この内戦すら神と魔族の仕組んだものとしたら……。レオンとレイリアの国王はそれによって2人とも死んだのよね。だから、ブリタニア国王にフィンブルの冬を説明して、対策を打ってもらわないと。
事は急を要するから、途中の城の間取りとかは省くわ。
玉座に座っているのが王族で、立っているのが大臣ね。
大臣、姫、妃はごく普通の人達だわ。肝腎のブリタニア国王は……。
と、ここでアレクの「携帯電話」が鳴ったわ。
アレクはブリタニア国王に「カラクリ」を渡した。
「フィンブルの冬については、実感がわかぬな。しかし何か？ 卿はこの戦を、神や魔族に仕組まれたものであると申すか？」
何だか雲行きが怪しくなってきたわ。レイリア王国の故ジョアンのときと同じ流れになりそう……。
「御意。現に、ブリタニアとルーシ以外の国王は、全て神や魔族から生き血を抜かれております。フィンブルの冬を起こさぬため、即時停戦いただきますよう要請します。」
ちょっと、アルベルト。そんな要請の仕方じゃあ、相手を怒らせるだけよ。まず理由と真相を確かめなきゃ。
でも、もう遅いみたい。以下、国王とアルベルトの話の流れをまとめるわ。
国王によると、ブリタニア王国が内戦状態になった理由は、アーサー公爵がブリタニアに叛旗を翻したからである。
しかし、それも「表向き」に過ぎないとアルベルトが弁明する。
国王は「表向き」などではなく、現にアーサー軍によって国民が殺害されている旨を主張する。
自分の領土がなかったアーサーに土地を与えた自分に対して叛旗を翻したアーサーは恩を仇で返す不届き者である。
アルベルトは、レオンとレイリアの件をブリタニア国王に伝える。
こうして、あたし達はブリタニア城からの退去命令が下されたわ。
偽のアレシア国王やレイリア国王からもこういった扱いを受けているから、慣れているって言えば慣れているけれど、でもあんまりこういう目には遭いたくはないわね。
しかも、今回は事実上の国外退去処分よ。扱いがどんどんひどくなってきているわ。
と、ここでアレクの「携帯電話」がまた鳴ったわ。
「アレクよ。まず、ブリタニア王があんな頑固者とは知らなかった。にも関わらずブリタニアへ派遣してしまい、申し訳ないことをしてすまなかった。」
「殿下の責任ではありません。」
いいえ、殿下の責任よ。というよりは、こんな大事な話を「音声だけ」で伝えようとしていること自体が間違っているわ。アルベルトは「携帯電話」というカラクリに頼り過ぎよ。そのせいで、ジョアンとの関係も悪化したままで終わっちゃったじゃないの。
「それにしても、その国に留まるのは危険過ぎる。早々にバイエルンから船を出し、卿らを迎えに行こうかと思っている。」
と、ここでアレクから提案があった。
アレクが言うには、アーサー公爵に会いたいとのことよ。なぜブリタニア王国と内部紛争が起きたか、その経緯みたいなものが分かるかもしれないらしいわ。確かにそうよね。片方の言い分だけしか聞かないのは危険過ぎるわ。ブリタニア王がアルベルトの話を信じようが信じまいが、魔族に生き血を抜かれたらもうおしまいだからね。
アレクは、ブリタニア王は少し不用心で、あの調子で国を治めたら、あっさり神や魔族に生き血を抜かれると言ったわ。あたしもそう思う。というより、ブリタニアの王族以外はみんなそう思うわよ。
ブリタニア城のすぐ右に見えるのが、アーサー公爵のいるお城だけれど、ブリタニア山脈を北に抜ける道は、ブリタニア国王側が関所を作ったようだから、そこは抜けられないらしいわ。そこで、エディンバラの北側にあるペニン山脈を東西に抜ける山道を通れば、アーサー公爵のいるお城へ抜けられるとのことよ。
行くだけの価値はあるようね。というよりは、もうそこへ行くしかないわよ。ブリタニアの国王が神や魔族の手に渡らないうちに、アーサー公爵の言い分を聞いて真相を突き止めなくちゃ。
一応、念のために北の道を行くと……。
やはりだめなようね。もちろん、エディンバラ城へ戻るなんてもってのほかだわ。
ここは、アルベルトの言っていた、ペニン山脈を東西に抜ける山道を通るしかないわね。
きっと、モンスターとかも出るんでしょう。でも、新しい武器や防具もあるかも。あたし達は期待と不安を胸に、山道に入っていく。
また寒そうな場所に来たわね。でも、関所破りをするんだから、このくらいの危険は冒さなくちゃ。
ここで、あたし達のステータスを確認しておこうっと。
(↓現在のステータスです。画像をクリックすると詳細を見ることができます。↓)
(↑尚、ソフィーはステータス画面には登場しません。↑)
さあ、アレク、関所破りをするわよ。
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2022/08/09
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