フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第85回】国交回復の見通し

 あたし達はレオン国王のアルフォンソの下へ急いだ。



「結論を申し上げますと、我が主アルベルトの推察通り、バジャルド殿は既にこの世にはおられませんでした。しかし、本人の霊より水晶を預かって参りました。ご高覧を。」
「うむ。ちと拝見。な、これは……」
 俄かにアルフォンソの表情が変わった。



 アルフォンソはしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「使者殿。今夜は宿屋に泊まってもらうとして、明日レイリアに出立してくれぬか。私はレイリア王への親書を認める。」
「承知いたしました。」
 あたし達はアルフォンソに別れを告げ、宿屋に向かった。



 翌朝、あたし達はアルフォンソから親書をもらった。
「これが親書である。親書の内容としては、使者殿の話を聞いてもらいたいと。我が国としては、以前のように国交を回復したい旨と、この回復を機に貿易なども再開して以前よりも良い関係を築きたいと思っている。」
 これまで嫌な役だと思ったときもあったけれど、今度はいい気分で使者の仕事ができるわね。
 あたし達はレイリア王国に向かった。



 ジョアン国王はガサツな人だけれど、話はきちんと聞く人だわ。少し頑固者だけれどね。
 アレクはこれまでのことをジョアンに話した。



 これでお互いの誤解がなくなったわね。アルベルトの説得にも応じなかった頑固親父を説得させるのには苦労したわ。
「ん? 使者殿、何か言われたかな?」
 あ、いえ、なんでも。こっちのことですわ。
 と、ここで王子に疑問がわいたようだった。
「しかし、父上。何のためにお互いを戦わせようとしたのでしょうか。我々が戦うことで、奴らに何の得があるのでしょうか。」
 う〜ん、そこよね〜。
 ただ、戦で血が流れるから、両国王の血が流れた隙に乗じてその生き血を魔族が……。
「となると、やはりアルベルト殿が言っていた、フィンブルの冬が関係していると申すか。」
「十分可能性はあります。」
「承知した。今から親書を認める。少し待っていてくれるか。」
 セシリアを助けて賢者バジャルドの水晶まで持ってきたあたし達と電話だけでしか話さなかったアルベルト公爵、ジョアンがどちらを信用するかって言ったら一目瞭然よ。



 オリビア・ニーナ姉妹からの信頼も盤石ね。
 王子からは、この問題が解決したら自分の下で働かないかと提案してきたけれど、ユーグからも同じ話があったわ。従兄弟だから言っていることも同じかもしれないわね。まあ、アルベルトがそうはさせないと思うけれどね。
「さて、この親書をアルフォンソ殿に見せるがよい。よろしく頼むぞ。」



 これで3日間ゆっくりできるわね。レオンの城下町を散策しましょう。
「さあ、寝るか。」
 と、ここで「携帯電話」が鳴った。んもう〜、これから寝ようとしたのに〜。



 どうせまた「私は魔術師だから」とか言うんでしょ。
「いや、そういうわけではないのだが……。」
「殿下からそのように言われると、かなり不安です。承知しました。我らも会合を見届けます。」

 そして、3日が経過した。



 この廃墟の近くの橋が国境の橋ね。廃墟にも一応入れるけれど、今は会合の場に行くわよ。



 あたし達も「使者」で有名になっちゃったわね。
 悪いことで有名になったわけではないからいいでしょう。


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2022/07/27


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