フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第53回】ニース温泉の奥へ

 あたし達は、温泉の入口に戻っていた。
「きっと、あの奥にいたミミックこそが鍵だったのかも。」
 ソフィーがつぶやく。リーゼルとクリスも無事だったみたいね。あれ、アレクは……?
「エル、あんた、わざとやっているでしょ。」
 ソフィーが「またか」というような表情をしているけれど、何がわざとなのよ?
「隊長は、あんたのお尻の下。しかも、あんた、隊長のどこにお尻を乗せているの?」
 クリスが指摘する。あら、あたしのお尻の下に顔を埋めるなんて、もう、アレクったら。
「うぐぅぅ、苦しい……。エル、私を窒息死させる気か。」
 あはははは……。
「窒息死なんかしちゃイヤよ、アレク。結婚したら500年は付き合うんだからね。」
「500年て……。かつてのジパングでは“人生50年”て言われているのに、現代でも“人生80年”長くても“人生100年”なんだぞ。」



 クリスの言葉に、ソフィーが一瞬凍り付いたかのように見えた。
「どうしたの、ソフィー。」
 あたしはソフィーに声をかける。
「ううん。そういえば、世界最高齢の田中カ子(たなか・かね)さんが先日119歳で亡くなられたわね。でも、男性も負けていなくて、泉重千代さんは120歳まで生きていらっしゃったとか。尤も、泉さんの本当の年齢は105歳くらいだったという説もあるけれど、それでも105歳まで生きるのは相当なものよ。」
 そう言えば、この冒険の背景はドイチュのはずでしょう。なんでそんなにジパングに詳しいの、みんな?
「まあ、いいじゃないの。中島敦の本をドイチュ語訳した大学の先生も、実はお坊さんを兼務しているんだから。」
 そう言って、ソフィーは洞窟の入口に向かった。あたし達も後に続いた。……それにしても、さっき、アレクの上に乗っていたとき、お股の部分がむずむずして気持ちよかったわ。でも、これは内緒よ。
 ここで、この洞窟に出てくるモンスターをご紹介します。
 キマイラとゴールデンスライムはさっき言ったわよね。それから、ウェアウルフとグールなんかも出てきたわ。ウェアウルフは雄叫び(バランスが崩れる)と毒攻撃があるし、グールの特殊攻撃といえば何と言っても麻痺よね。リーゼルの状態回復魔法も1回に1人にしか効果がないから、気をつけなくちゃね。
 それから、ゴールデンスライムから金の指輪が出てきたわ。金の指輪は防御力+1の効果があるんだけれど、どちらかというと装飾品のイメージが強いわ。そう言えば、作者から指摘があったんだけれど、装飾品も防禦力が上がるから身につけておいた方がいいわね。あたしとアレクは氷の指輪、リーゼルは炎の指輪、クリスは大地の指輪を装備したわ。何だかキャラクターによっては装備できない指輪もあるみたいね。



 ちょっと待って。この宝箱、最初に入ったときにはなかったわよね。あのミミックを倒してから出現したってことは、この宝箱が鍵に決まっているじゃないの。



 今度は、クリスも手を前に伸ばすようなことはせず、全員一歩下がっていたわ。
 この宝箱の正体もミミックね。そんなの、先刻からお見通しよ!



 ミミックは、最初のターンにアーマーメルトを唱えてくるけれど、その前にあたしの国歌と3人のダブル・トリプルアタックで、2ターン目に倒したわ。
 ミミックから、魔術師の腕輪が出てきたわ。これはリーゼルに装備させようっと。
 ミミックを倒した後、鍵が出てきたわ。もしかすると、この鍵で……。



 鍵が開いた。扉の向こうは上の階へ続く階段があったわ。その階段を昇って行くと……。



 2階の通路に出た。これでまたロジーナに一歩近づいたわ。通路を先へ進むと、道が二手に分かれた。
 手前の通路の先へ行き止まりで、青い宝箱があったわ。そうそう、青い宝箱と言えば、イザール温泉で一つだけ取れなかった宝箱があったのよね。あの宝箱も青だったわ。



 かなり儲かったわね、アレク。そして、先へ進むと……。
 キャッ! コンバットエンジェルが出たわ。でも、今のあたし達ならば、コンバットエンジェルのことを知っているから、比較的容易に倒せたわ。
 そして、先へ進む、と。
 また、道が二手に分かれているわ。しかも、ロジーナ達の姿が見えるじゃないの。ここは直感に任せて、アウトコースで……。



 そして、下へ。1階に戻るわけだけれど、洞窟の奥に来ていることは間違いないわ。



 何やら、骸骨がいるわ。でも、その骸骨にたどり着くには、クリスタルを何とかしないと。
 あら、何やら手前の行き止まりにレバーみたいなものがあるわ。
 あんな高いところにスイッチがあるのね。じゃあ、アレク、いつものように、あたしを肩車してちょうだい。
「何よ、いつものようにって。」
 リーゼル、クリス、ソフィーが一斉に反論したわ。あら、あたし、何か悪いことでも言ったかしら?
「多分、あのスイッチには細工がしてあるんじゃないかな? あたし、これでもスカウトだから、この程度のことは分かるわよ。」
 流石はソフィー、餅は餅屋、蛇の道は蛇ということね。
「じゃあ、隊長、あたしを肩車してちょうだい。」
 今回は仕方がないわ。ソフィーに譲りましょう。ソフィーが隊長に肩車……ってソフィー、あんた丸見えじゃないの。
「え、なにが?」
 なにが、じゃないわよ。パンツが丸見えって言っているのよ。
「ん〜〜、平気平気、だって、見せたらまずい人なんてここにはいないんだも〜ん。」
 アレクの目が点になっているわよ。アレクも放心状態になっているらしく、ソフィーの命ずるままに肩車をしていた。
 やがて……。
「終わったわよ。」
 ソフィーの言葉が終わるか終わらないかのうちに、どこかでズーンという音がした。



「ソフィー、もう降ろすよ。これ以上はぎっくり首にもなり兼ねない。」
 そう言って、アレクはソフィーを肩から降ろした。そう言えば、椎間板ヘルニアの首バージョンという症状もあるらしいわね。ジパングの整形外科医によると、首の痛風というのもあるみたい。あたしも気をつけなきゃね。
 いよいよ、この温泉に巣くう元兇との対面ね。準備はいいこと?


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2022/05/04


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