フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第46回】アルベルトの陽動作戦

 あたし達の目の前には、アルベルト、ザウアー、そしてパウラがいた。
「アレクよ、だいぶ顔色が良くなったな。」
「これも皆さんのお蔭です。」
「それは私を向いてではなく、後ろを向いて言うことであろう。無論、パウラ隊長にもな。」
「はい。……パウラ、エル、リーゼル、クリス、ソフィー、そして修道院の皆様方、本当にありがとうございます。」
 アレクったら、言うときはきちんと言うのね。いいえ、どういたしまして。このところ、アレクのパウラに対する態度が少し和らいだ気がするわ。いい兆候ね。



 陽動って、どういうことなの? 太陽の通り道のこと?
「お嬢ちゃん、陽動というのは、敵の注意を反らすための目立つ行動のことを言うのだよ。まあ、簡単に言うと目立つ囮(おとり)作戦ということかな。」
「じゃあ、真の狙いがあるのね。」
「その通り。俺たちが真の狙いってわけよ。」



「因みに、お嬢ちゃんの言った太陽の通り道は『黄道(こうどう)』と言う。これは、太陽が黄色く見えることからその名がついているのだ。因みに、月の通り道を『白道(はくどう)』と言う。これは、地球から見ると、月が白く見えることからその名がついているのだ。だが、月自体が輝いているわけではなく、月は太陽の光を反射して光っているのだ。話を戻そう。地球から見ると太陽が一番明るく見えるが、これは地球からの距離が最も近い恒星が太陽だから太陽が一番明るく見える。このようにして決められた明るさを相対等級と言う。しかし、実はおおいぬ座のシリウスの方が太陽よりも明るいのだ。これを絶対等級と言う。絶対等級とは、その恒星そのものの明るさであって……」
「ゴホン……」
 ザウアーが咳払いをした。
「殿下、お言葉ですが、話が脱線していますぜ。」
「……」
 ザウアーの完全な正論には、流石の殿下も一言も言い返せなかったようね。
「ともかくだ。」



「なるほど。確かに、ここさえ陥落させれば、戦局は圧倒的に有利になりますな。」
「そういうことだ。ここを押さえられた以上、アレシアも講和せざるを得ないであろう。」
 確かに、そうよね。





 あら、あたし達が勝手にアレシア要塞の西門へ動いているわ。これも、作者の演出ね。
 一方、ディジョン要塞では、ゲクラン侯爵とフォルゲン伯爵似の兵隊長が話をしているところだった。



 ゲクラン侯爵も苛立ちの表情を隠し切れないことは火を見るよりも明らかだった。



 これはある意味ディジョン要塞にとっては決して勝ち目のない持久戦とも言えるわね。



 一方、ディジョン要塞の西側に到着したあたし達は……。



 いけ好かない顔をした兵士が次々に倒れていく場面は爽快ね。
 今頃、ザウアー達はディジョン要塞の内部に潜入していることでしょう。



 あれだけいた兵士も、あと5人ね。
 でもアレク、油断は禁物よ。



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2022/03/05


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