フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第38回】公爵の秘策

 補給部隊の中を一回りする。戦利品を本陣に運び次第、この補給部隊の基地は撤去予定らしい。その際、馬小屋にいる馬が大活躍することだろう。
 さて、補給部隊を出ると……。



 またもや天下布武の幟が。ということは、この中には不祝儀敷の畳があるということか?
 取り敢えず入ってみよう。



 中は普通の構造だ。ということは、奥の公爵のいるところが、不祝儀敷の畳……。



 アルベルト公爵、この前も同じことを聞いていましたよ。まあ、公爵らしい本陣ですね。
「そうか、私らしい本陣か。なるほど。……さて、アレク。本題に入るが、この平原にいるわが1000の部隊に、敵がどう出るかだな。」
「ここは平原ですが、副勢は山岳地帯ですな。何か策でも?」
「うむ、その策はだな……」
 と、ここで、部下の兵士から報告が入る。



「うむ、偵察ご苦労であった。ザウアー、すぐに出撃準備を整えよ。」
「承知しやした。」
「アレク達よ、今回は卿らの出番はないので、本陣の中からゆっくり見ていてくれ。そのお嬢さんの右腕もまだ無理をしてはいかんし。」
 リーゼルを気遣ってくれるのはありがたいが、我々の出番がないとは?
「まあ、今にわかる。弓兵、バリスタの発射準備は整ったか。」
「へい、いつでも発射可能ですぜ、殿下。」
「よし、では……。」
 そう言って、アルベルト公爵とザウアー将軍は本陣の外に出た。
「では、バリスタ隊、照準を合わせよ。敵は我が軍正面!」
 バリスタ隊が敵陣に照準を合わせる。
「バリスタ隊、撃て!」
 アルベルト公爵の命令とともに、バリスタ隊の矢が一斉に放たれる。だが、この距離では追い風を利用しても敵までは届かず、失速して矢が落ちる……が、しかし。
「我は求める、乱れる烈風!!!」
 そのとき、一陣の風が猛烈な勢いでバリスタ隊の矢を敵に押しやった。



 そう、よもや敵も矢がここまで届くとは想像だにしなかったことであろう。バリスタから発射された矢でも届かない距離を、アルベルト公爵の魔法により射程圏内に収めたのだ。
「大変だ、ヴェルデ将軍が負傷されたぞ!! ここは一度撤退だ!」
 しかし、アルベルト公爵はその隙を見逃さなかった。



 すごい…敵は壊滅状態だ。公爵の策とはこのことだったのか。不意をつかれて、なおかつ将軍が負傷したとあっては、アレシア軍はひとたまりもない。
 これでは、私達の出番はないだろう。高みの見物と参りますか。
 我々の部隊の完全勝利を確信したそのときだった。
 アルベルト公爵の表情が険しくなる。



 我々はすぐさま公爵の言っていた「あれ」に向かう。



 敵は少女? いや違う。これは……



 コンバットエンジェル。少女の姿をした敵で、そのあどけなく可憐な姿で相手を魅了する、容易ならざる状況だ。とは言え、実は私は慣れている。あどけなく可憐な姿の4人といつも一緒にいたら、それは耐久性もつくわ。
 魅了の術さえ回避できれば、コンバットエンジェルそのものは大した敵ではなかった。



 4人とも、レベル16になった。この段階でレベル16は、まだ序盤なのだろうか。この物語、クリアまでの道のりが読めない。
 しかし、アルベルト公爵でさえ「死刑の執行猶予中」の身であることから、進んでいることは確かだ。
 そして、その「死刑の執行猶予中」の公爵が私のもとに向かってきた。


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2021/12/22


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