フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第32回】国境地帯への急襲

 アルザス城を出たアレク一行は、ロールシャッハ城へ向かった。道中の風景はいつも通りなので、全てカットします。
 しかし、ロールシャッハ城で我々を迎えている3人の表情は険しかった。ザウアーも大臣も、自分への挨拶はいいから早く公爵に挨拶をするように促している。



 また緊急事態か。年がら年中緊急事態言っていたらジパングの緊急事態宣言みたいに意味が薄れてしまう。そうすると、今度は緊急事態ではないことが緊急事態になってしまうぞ。
「何か嫌な予感がするので、私も軍を再編成したら、北西にある関所に急行する。そなたたちは先に行っていてくれ。」
「承知いたしました。」
 さて、関所とやらはどこに……。



 こっちではなさそうだ。もう少し北へ歩いてみよう。



 ここだ。さて、入るとするか。



 ひょうじょう(評定)所なんて、時代劇でしか聞かないと思っていたが、こういった戦記物にもあるのか。評定所というと、法に背いた輩を問い質す裁判所のようなイメージがあるが、普通の会議室としても用いることがある。尤も、評定所では普通の会議はしないけれどね。



 何ですって? そう言えば、アルベルト公爵がアレシア軍が荒らしている云々言っていたが、多数の兵士が負傷しているということは、それほどアレシア軍は強力な部隊を引き連れているということか。戦記ものではお決まりのパターンとも言える典型的な緊急事態と言えるだろう。



 ん? 伯爵の他に女性が2人いるぞ。連れの女医さんか?
クリス「あ、ママ。何でここにいるの?」
ソフィー「あ、叔母様。」
2人の女性「ここは戦場です。ママ・叔母様はやめなさい。」
クリス「はい、エリーゼ隊長。」
ソフィー「そうでしたね、パウラ隊長。」

お前ら、いらね〜〜〜〜っ!

 パウラは私にお礼も言わずに身勝手だし、エリーゼなんて第32回目で漸く登場しているし。いくらジパングの私が女性に厳しいからと言っても、それとこれとは別だぞ。確かに、戦場において男女の区別はないと言ったが、こんな奴らが隊長ではバイエルン王国の軍隊の笑い物になってしまう。普段は現場に来ない癖に、こういうときだけ隊長ヅラをするなよな。
 私が2人を睨みつけているのを察したのか、フォルゲン伯爵が口を開いた。
「アレクよ、よく来てくれた。」
 事態は一刻を争うようなので、例の陰口を叩いている暇はない。
「話はアルベルト公爵から聞きました。アレシア軍のモンスターが襲撃してきたとか。」
「うむ。そのモンスターにはある程度の打撃を与えたのだが、取り逃がしてしまってな。しかし、アレシア軍の中によほど優秀な癒し手がいるらしく、翌日には復活してまた襲いかかってくるのじゃ。じゃが、この国境の兵士たちはそこまで回復することができず、戦いは連日のものとなり、それで兵士の宿舎が病院の如く負傷兵であふれかえってしまっているという有様なのじゃよ。」



 それを聞いた途端、後ろの2人が余計な口を挟む。
「伯爵がですか? そんな年寄りの冷や水みたいなことをなさっても返り討ちに遭いますよ。ここは私達にお任せを。」
 うるせえんだよ腐れ●ども(自主規制)が。伯爵がその気になったらてめえらの首なんか一瞬ですっ飛ぶぞ。だが、クリスとソフィーの手前、それは言わなかった。これでも私にしては忍耐している方である。今でこそソフィーは軽口を叩かなくなったものの、かつてのソフィーの失言の数々はこの叔母隊長が原因だ、間違いない。
「ちなみに、どんなモンスターだったのですか?」
 ソフィーが尋ねた。



 ちょっと厄介な敵だ。飛び回られたら、攻撃を与えるのが難しいことは目に見えている。
「大丈夫よ、私の弓で仕留めるから。」
 これまでのエルの発言とは違った、頼もしい言葉だった。弓使いのエルフ族ならば勝算はある。
 と、そのとき……



「表からね。」
 リーゼルがつぶやいた。
 よし、現場に急行だ。
「頼んだぞ。」
 伯爵の声を背に、我々は評定所の外へ出た。



 へ? (次回に続く……)



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2021/10/06


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