フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)
【第20回】ロールシャッハ再び
バイエルン王国の兵士たちに見送られながら、昨日のことを思い出していた。何だか最近怒りっぽくなってきたな。「キレ得」というのはあまり望ましくない。だが、一国の王子に対して本気で怒鳴りつけたことで、私の中から怒りの要素が全て吐き出された気がする。無論それはクリスも同じだろう。当面の間、敵との戦いにおいては怒り任せではなく、ある程度冷静さを持って戦えることは間違いない。
そうだ。リーゼルの雑貨屋で装備を調えよう。地下水道での戦利品によって全員の装備がスケールシールドとチェインコイフになった。
イザール大橋を東から西へ。昨日と逆のルートだ。それにしても、パウラの奴、ソフィーが帰って来ても姿さえ現さない。こっちはわざわざ温泉まで出向いたというのに。所詮騎士隊長など務まる力量ではなかったのだろう。
イザール大橋の中間点を経ることなく、いきなり西本陣へ。
まあ、はい、アレクですが、「卿」と呼ばれるほどなのか? そう言えば、ロールシャッハの人たちはみんな私のことを「卿」と呼ぶ。
「では、ハスラー将軍の元へご案内申し上げます。」
こうして、私達はハスラー将軍の部屋へ連行……いや、案内されていく。
「おお、アレク卿、よくぞ戻ってきてくれた。その方は持ち場に戻れ。アレク卿の案内ご苦労であった。」
ハスラー将軍の指示により、部下の兵士が将軍の部屋を退室していく。
これ以上無益な戦いをしたくないのは双方の共通認識だった。ハスラー将軍は続ける。
「先程、フォルゲン伯爵からの使いが来てな。我らの立場は理解したと。そして彼らも、我々に対する軍事行動は起こさぬと。」
いつの間に?
やはり伯爵の影が薄いと使いの影も薄いというわけか。
「準備は整った。わしはそなた達をイザール川西岸に送ることにしよう。」
ありがとうございます。ということで、我ら一行はロールシャッハ城に。地下水路の敵もさることながら、その後のことも考えて、リーゼルにバスタードソードを装備させることにした。
このセリフ、久しぶりに言うなあ。
倉庫を抜け、地下水路を通り、漸くロールシャッハ城の地下牢へ着いた。案の定、鍵がかけ直されていた。私は鍵を抉じ開ける。
「殿下、ただいま戻りました。」
「……。」
おっと、忘れていた。牢内では会話ができないんだった。私はアルベルト公爵を牢の外へ導く。
「殿下、ただいま戻りました。」
「アレク卿、ご苦労であった。」
「ええ、持ってきましたよ。」
それ以上のことは言わない。私がカールを叱り飛ばしたことや、ましてクリスがカールの頬を叩いたことは、王宮内の極秘情報だからな。
「それから、フォルゲン伯爵からも書状を預かっております。是非ご一読を。」
アルベルト公爵は書状を繙(ひもと)く。読み上げた後、徐(おもむろ)に顔を上げた。
「うむ。どうやらフォルゲン伯爵は事情を理解されたようだな。それから……」
アルベルト公爵は私の顔を見て笑う。
「アレクよ、そなたもすることはするものだな。カールを女王陛下の御前で叱り飛ばしたと書いてある。」
あの影薄伯爵め、余計なことを書きやがったな。だが、アルベルト公爵はこっちを責めるでもなく、ただ笑う。
「それに乗じて女王陛下がカールの両頬を鼻血が出るまでぶっ叩いたとまで書いてある。陛下らしいや。」
いや、カールの頬をぶったのはクリスなんですけれど。それに、カールは鼻血など出していないんですけれど。全くあの
老害
め。尾鰭をつけやがって。だが、これでクリスの“無礼な振る舞い”は闇に葬られることになった。王宮の記録には、女王陛下が息子を厳しく躾けたことになっていることだろう。
「問題を早期に解決せねばならぬことは明白。アレクよ、一緒に来てくれるか。」
「もちろんです。」
「そうと決まったら、さっさとこの城を奪還だ。そして、ここからは私が先導しよう。その方が(物語の進行が)速いからな。
そして、画面がアルベルト公爵のアイコンに変わった。だが、ステータス画面はそのまま変わらない。
我々は、開かずの扉の前まで来た。
「うむ、僅かながら魔力を感じるな。こういったものは、扉に魔力を直接送り込むのが常套手段だな。……むん!」
そう言って公爵は扉に念(魔力?)を込める。
「すごぉぉい。」
リーゼルが驚嘆の声を上げる。
そして、上り階段までたどり着いた。
いよいよロールシャッハ城に乗り込むことになるぞ。
次回に続く……。
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(↑尚、ソフィーとアルベルトはステータス画面には登場しません。↑)
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2020/02/16
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