フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第14回】地下水路の仕掛け



 城への潜入ルートは、地下水路になっていた。流石のギルドもここまでは調べなかった、否、調べられなかったのだろう。
 通路を進んで行くと、青い炎が燃えている燭台を見つけた。



 何かこの青い炎が怪しいな。そう思って近づいてはみたものの、何の変哲もないただの燭台のようだ。地下水路を照らすための、ごくありきたりの松明にしか見えない。
「アレク、こっちにもあるわよ。」
 そう言ってエルは別の2つの松明を指さす。赤い炎と緑の炎が燃えている。



「ねえ隊長、赤い炎はわかるけれど、青い炎とか緑の炎とかって何だか変じゃない?」
 ソフィーが尋ねる。
「いや、あることはあるよ。金属の粉によって炎の色を調節することができる。例えばリチウムは赤い炎、ナトリウムは黄色い炎、カリウムは紫色の炎、銅は青緑色の炎、カルシウムは橙色(オレンジ色)の炎といったように、入れる金属によって炎の色を変えられるんだ。ジパングではこれを“炎色反応”といい、花火などで……」
 説明の途中、ふと我に返ると彼女達の目が点になっていることに気づいた。専門的な説明は難しかったようだ。私も“エンショクハンノウ”なんて言葉を使ったのは久しぶりだからな。
「まあ、青い炎や緑の炎もあるってことですよ。」
 これまた我に返ったソフィーが口を開いた。
「すごおい。隊長って、色々知っているのね。」
 まあ、広く浅くですけれどね。高校時代、理科系コースでも文科系の勉強はしていたので、文科系のことも一通りは学習したからな。
 さて、扉の前までたどり着いた。



 お決まりのパターンと化しているな。大同小異はあれども、どこかにスイッチが隠されているのだろう。他をあたってみよう。
 そして…



 やはり、先程見た3つの炎が鍵だったんだ。それにしても、さっきは色々調べたのに何も怪しいところが見つからなかった。もしかして、この貼り紙に魔法がかかっていて、この文面を見ないと炎を消すことができないという、作者の意図なのだろうか。まあいい。とにかく炎まで戻ろう。炎はここから遠いところ、即ち地下水路の入口に近い方から順に見ることにする。その方が戻りやすいからな。



 あれ? 確かこの炎、さっきは青だった気がするぞ。さっきと色が違う。虹色の炎か? いや、そんなことはない。リチウムと銅を一緒に混ぜ合わせたとしても、炎の色が混ざるはず。ということは、この炎が魔法の炎に違いない。ともかく消してみよう。
「あれ? どこかで音が聞こえたわ。」
 さすがはエルフの娘。我々人間より聴力が優れているのだろう。と、リーゼルが燃えさしの中からメモを発見をする。



 罠であろうがなかろうが、この松明から消すつもりだった。結果的に、一発で正解を引き当てた。
 ということは、他の2つは……



 まあ、罠ということは最初から分かっていたんだけれどね。問題は、その罠が何かということだ。



 やはり敵か……。とは言え、ゴーストは今の我々の敵ではなく、普通に蹴散らしすことができた。もう1つの炎もゴーストだった。
 この戦いの最中、エルが“誘惑の歌”を覚えた。その効果は次回以降の戦闘で明らかになるだろう。
 そして、私達は再び扉の前に戻ってきた。



 エルが唱えるやいなや、扉は開いた。と、次の瞬間。
「な、何?」
 リーゼルが訝しがる。クリスも思わず動揺する。
「何か、扉の向こうから風が……」

 キャァァァ!

 ソフィーの悲鳴が地下水路に谺(こだま)する。そして、全員意識を失った……。




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2019/09/12


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