フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第12回】裏切者への制裁

 我々の目の前に、一回り大きい扉がある。これこそ、アジトの本部だろう。突如、その扉が開かれた。



 この顔、確かグスタフの言っていたヴィリーでは……。そう思ったとき、不意に背後から声がした。



 振り向くと、いつの間にかグスタフと配下のギルド達が立っていた。
「ゲッ、…グスタフ、何でてめえがここにいる?」
「そんなこといちいち聞くなよ。裏切者のお前を成敗しに来たに決まっているだろうが。」
 ヴィリーとグスタフの間に火花が散る。とここで……



「お、お頭……。」
 ヴィリーに「お頭」と言われたこの男こそがフォルストに違いない。
「どうしてもヴィリーを返して欲しいのか、グスタフ?」
「ああ、ついでにお前の首も貰い受けるぜ、フォルスト。」
「フッ、貴様らに何ができる?」
「できるさ。…じゃあ、先生、よろしくお願いします。」
 グスタフが私に向かって言う……って、先生?
「私は福本清三か!」
 思わずグスタフにツッコミを入れる。途端にエルが口を挟む。
「ねえアレク。フクモトセイゾウって?」
 さすがにドイチュ近隣諸国のエルフは福本清三氏を知らないだろうなあ。
「あるときは素浪人、あるときはやくざの小頭、そして最後は必ず斬られるという『5万回斬られた男』として有名なジパングの俳優だよ。専ら脇役を演じる人だけれど、2014年には『太秦(うずまさ)ライムライト』で主役を務めたことでも知られている。主役も脇役も演じることのできる人は世界で福本清三ただ1人しかいないと言われているんだ。その福本清三がよく『先生』と呼ばれる役を演じるんだ。」
「すごいんだね、そのフクモトセイゾウという人は。」
「ああ、すごいさ。でも、福本清三はもう脇役には戻れないだろう。」
 と、本線から離れた話をエルと私がしているのを見て、敵も味方も唖然としている。
 最初に我に返ったのはフォルストだった。
「フクモトセイゾウとやら、ここがお前の墓場になるのだ。」
 だから違〜〜〜〜う!
「出でよ、ダークベヒモス! お前らまとめて地獄に送ってやる!」



 フォルスト一家のアジトにおける戦闘は、全て「逃げる」という選択がない。倒さないと(地理的にも物語的にも)先へ進めないからな。
 ここでもエルのラブソングが炸裂した。



 混乱したダークベヒモスが、主人のフォルストを攻撃している! 恐るべしラブソング!
 ダークベヒモスとフォルストを討伐し、大地の指輪とマジックウォーターを手に入れた。



 何、魔族だと。だが、それを問い質す前にフォルストは息絶えていた。自分を庇っていた者が斃れたとあって、ヴィリーはもはや逃げられないことを悟ったようだ。
「ヴィリー、お前もついに年貢の納め時だな。」
「クソッ…」
「ヴィリーを捕まえろ!」
 ギルドのメンバーは頭の命令により、裏切者をあっという間に捕縛する。グスタフの左目、そしてメンバーの命まで奪った裏切者のヴィリーにはそれ相応の報いがあるものと思われる。少なくともヴィリーが日の当たる道を歩くことは二度とないだろう。



 グスタフは、フォルスト一家の生き残りを殲滅するためにここに残るらしい。話は受付の部下にも通しておくから、例の地下室に行ってもらいたいとのことだ。
「さて、じゃあ私達は、町に戻りますか。」
「そうしましょう。」
 ソフィーとエルが口を開いた。



 フォルスト一家のアジトを出てロールシャッハ城へ(もうアジトへは戻れない)。
 その前に、イザール洞窟の六芒星形で回復を……



 何と、洞窟に戻れなくなっている! ということは、バイエルン城にも戻れないってこと?
 多分、洞窟の北にある橋を渡ることになると思うのだが、それはもう少し先の話だろう。取り敢えず、ロールシャッハ城へ。



 いえ、癒しではなくあなたに道を開けてもらうことが必要です……



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2019/08/17


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