フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第9回】ロールシャッハの城下町にて

 イザール川の西も、当座で関連性のない(薄い)場所には入れないようになっている。
 取り敢えずロールシャッハ城へ行こう。



 ロールシャッハの城下町で一番大きな店だろう。中に入ってみると、まず手前に盗賊っぽい人達がいる。
 もしかして、ギルドと呼ばれる盗賊組合の相談窓口か?
 入口の人に話しかけてみよう。



 おいおい、随分と突慳貪(つっけんどん)なご挨拶じゃないか。別に、こっちはお宅らに敵愾心(てきがいしん)を持たれる覚えはないんですけれど。入口の人でこれでは、受付の人はもっと態度が悪そうだ。一応、話しかけるだけ話しかけよう。
「よう、あんたらここがどういうところが知っていて入ってきたのかい?」
 ギルドでしょ? 守秘義務を厳守する誇り高いギルドと聞いたのだが。
「フッ。それも、状況と金によっては大した意味をなさないけどな。」
 ああ、そうですか。どうもお邪魔しました。またの機会に利用することにしますよ。
 やれやれ。受付の人も同じか。これじゃあ取りつく島もないな。ひとまずは引き上げるか。
 と、ここでリーゼルが口を開く。



 確かにリーゼルの言う通りである。ジパングの時代劇にもよくあるパターンだが、武士(侍)だけでは表の情報はつかめても裏の情報をつかむことはできない。そこで活躍するのが忍び(忍者)や盗賊といった素早さに長けた諜報部員ということになる。諜報部員の掟として「失敗=死」というのがあるのも、主人に命を預けているからという理由もあるとかないとか。
 ともかく、門前払いも同様の現状ではどうしようもない。敵か味方かも分からない相手にこちらの秘密を打ち明ける危険は冒せない。取り敢えず、他を回ろう。
 同じ建物の奥には、武器屋があった。ロールシャッハの城下町には結構いいものが揃っている。分相応の買い物を心がけながら商品リストを見ると……



 武器屋でチェインメイル(防禦力+14)を3人分購入する。
 3人分というのはエル・リーゼル・クリスの分……って、何故に隊長たる私が装備できないんだ? 貧弱(4人の中でHPが一番低い)だからか? まあ、装備できないものは仕方がない。
 3人の少女達の防禦力が上がったところで、城下町の人達の話を聞いてみよう。







 町の人達によると、3ヶ月前から、俄(にわ)かにアルベルト公爵がロールシャッハの国民に極度の重税と徴兵制を課したという。
 ここだけを切り取ると、アルベルト公爵が仮面を被っていて、ついに化けの皮が剥がれて本性が出たという見方になるだろう。しかし、多くの国民に共通する見解は、アルベルト公爵の豹変ぶりに対する怒りよりもなぜ豹変したのかという驚異と懸念の方が強いようだ。以前のアルベルト公爵は、行政や軍事に必要最低限の税しか徴収せず、臨時で税を徴収することがあっても高額所得者から順に必要な分だけ徴収していき、なるべく低額所得者には負担がかからないようにしていたという。確かに、バイエルンにおけるアルベルト公爵の噂から推測しても、アルベルト公爵が改革の名の下に国民に苦痛を強要するとは考えにくい。となると、やはりマルクス教団と魔族がアルベルト公爵を唆(そそのか)した可能性が考えられる。あるいは、本物のアルベルト公爵はマルクス教団に逮捕・監禁されており、アルベルト公爵になりすました偽物が行政を司っているかもしれぬ。
 もしこれが本物のアルベルト公爵の所業だとすれば、町民達の間で暴動が起こり、かつての仏国の王妃マリーアントワネットの如くアルベルト及び一族全員は首を刎(は)ねられることは必至である。考えたくはないことだが、この可能性も視野に入れなくてはならない。我々は部外者(中立)の立場で判断しなくてはならないのだから。
 さて、キュンストラー(ソフィー)はどこだろう(本名ではなくコードネームで呼ぶことにする)。
 それらしき人を探しているうちに、お城の手前まで来た。



 何だよ。城の門番まで突慳貪な物言いか。みんな重税と徴兵でピリピリしているのかな。
 と、ここで我々に意図的に近づいてきているような女の子に気づく。ひょっとしてこの女の子が……



「ええと、私のことはソフィーって呼んでね。」
「何か、久しぶりね、ソフィー。」
 クリスが口を開く。



 ついに私達は、密偵キュンストラー、いやソフィーに出会うことができた(聞いてもいないのにパウラが勝手に教えてくれた「キュンストラー」というコードネームを使う必要は全くなかった)


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2019/07/31


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