奈落の帝王(プレイ日記)


【初期設定と背景】

 私の名はALADDIN(アラジン)。祖国ジパングでは<批判屋>と呼ばれている。
 この度、訳あって、ファイティング・ファンタジーの世界に赴くことになった。だが、何の準備もなくてはすぐに命を落としてしまうであろう。そこで、今から初期設定を行う。

 技術点 … サイコロを振って出た目は4。従って、原技術点は10。
 体力点 … サイコロ2個を振って出た目は5と1で6。従って、原体力点は18。
 運点 … サイコロを振って出た目は4。従って、原運点は10。

 技術と運が平均よりやや高めで、体力はその分やや低め。可もなく不可もなくといったところだ。

 これから私が赴こうとしているのは、カラメールという国だ。カラメールはアランシアにある。ファイティング・ファンタジーの原点とも呼ばれる“火吹山”と同じ大陸だ。

〔背景〕
 カラメールは危機を迎えている。領主、キャロリーナ男爵夫人は、夫の死から立ち直るや、ライバルの貿易国、アルケミスとの戦争に突入した。海戦で多くの人命が失われたのち、カラメールは勝利をおさめたかに見えた。だが、それだけでは終わらなかった。北の国境に軍隊が集結しているとの噂が伝わったのだ。けして友好的とは言えない隣国ベイ・ハンが、侵略をもくろんでいるらしい。キャロリーナ男爵夫人は決然として、すべての軍隊を北部国境へ差し向けた。国境に連なる山々は自然の要塞である。しかし、ベイ・ハンの軍隊にカラメールの大平原への侵入を許せば、国は計り知れない損害をこうむることになる。
 君がカラメールへ着いたのは、最後の部隊が出発した直後だった。街は奇妙なほどひとけがない。日々の生活は続いているが、いつもカラメールの曲がりくねった道を誇らしげに練り歩いている、はなやかな衣装の戦士たちの姿が見当たらない。兵士がいなくなって、街には犯罪が横行した。君は夜になると部屋の扉にかんぬきをかけ、ベッドのかたわらに剣を置いて眠った。

 数週間たったある朝のこと、興奮した目をした伝令が、東から侵入者が来るという支離滅裂にわめきちらしながら、街に馬で駆けこんできた。伝令が宮殿に消えて一時間もしないうちに、召使いが君のところにランゴール家の紋章のついた手紙を持ってきた。キャロリーナ男爵夫人じきじきの召喚状だ。君の冒険者としての名声は、彼女の耳にまで届いているらしい。この苦難のとき、夫人は恐れを知らぬ戦士を必要としているのだ。
 宮殿に着くと、君は他の十人の冒険者と一緒になった。なかには何人か顔見知りがいて、なかでも、ブラックサンドのソフィアという女性とは幾度かいっしょに危機をくぐり抜けたことがある。君は彼らにあいさつする間もなく、召使いになかへ案内された。通されたのは拝謁の間で、大きな黒い木のテーブルの向こうに五人の貴族が並んでいた。中央にすわっているのが、キャロリーナ男爵夫人。儀式用の宝石を身につけ、輝くばかりに美しい。目の前には儀仗の剣が置いてある。左隣は彼女のいとこのマッドヘリオス。鼻を神経質そうに引きつらせた、太った男である。その向こうにはカラメール地方でもっとも裕福だと言われる小柄な女性、イクチャンのダンヤザードがすわっている。キャロリーナの右側は旧家の血をひく堂々とした女性、沈黙のシージュと、いかめしい顔つきをした司法官のアシア・アルブドールが並んでいた。君はまさにカラメールでもっとも重要な五人を前にしているのだ。
 君が頭を下げると、キャロリーナは手短に状況を説明した。軍隊は遠く離れた北方にあり、カラメールは無防備である。ついさっき、東の端の地方から使者が着き、村々から人がいなくなっていると知らせてくれた。敵はおそらくこの街に東から侵入してくるはずだ――クラック島の蛮人のしわざであろうから。そこで、急使を差し向けて、カラメール軍の半分を呼び戻す必要がある。軍隊が戻るまで街をなんとかして守り抜かなければならない。キャロリーナによれば、彼女に仕える、南部諸国でもっとも恐れられている戦士、無敵のラメデスは、神話に名高い秘宝の探索に出かけていて、留守だという。キャロリーナは君のこれまでの勇敢な行為をほめたたえ、街の守りを引き受けてはもらえないかと、君に援助を求める――そうすれば、この地方全体から感謝されるだろうと。君はたった一人で敵を相手にしなければならないが、それなら、いっそう栄誉は輝かしいものになるのではなかろうか。

さあ、ページをめくりたまえ

2013/05/13


直前のページに戻る

『奈落の帝王』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。