雪の魔女の洞窟(プレイ日記)


【初期設定と背景】

 私の名はALADDIN(アラジン)。祖国ジパングでは<批判屋>と呼ばれている。
 前回のプレイで奈落の帝王の座に君臨したが、この度「転生」をすることになった。

 技術点 … サイコロを振って出た目は6。従って、原技術点は12。
 体力点 … サイコロ2個を振って出た目は6と1で7。従って、原体力点は19。
 運点 … サイコロを振って出た目は3。従って、原運点は9。
 飲み薬 … 技の薬・力の薬・ツキ薬のうちからツキ薬を選択。

 技術は奈落の帝王の威厳と貫禄からか最高ランク、体力は平均、そして運が平均よりやや低めである。魔法の飲み薬はツキ薬を選択した。理由は以下の通りだ。技術は十分にあり、体力は食糧で代用できる。だが原運点はそれほど高くない上に、運点は運だめしでどんどん減っていく。それに、ツキ薬の魅力は原運点に1を加えた値まで回復できることだ。かくして、初期設定は整った。

 これから私が赴こうとしているのは、アランシア北部にある氷指(ひょうし)山脈だ。文字通り“氷の指”の山脈だから、まさに極寒の地と言ってよいだろう。ファイティング・ファンタジーの原点とも呼ばれる“火吹山”と同じ大陸だ。

〔背景〕
 アランシア北部の冬はいつも酷(むご)く厳しい。雪は深く降りつもり、氷のような風は激しくふきつけて骨まで冷えきらせる。ここ数週間、君はビッグ・ジム・サンという商人に雇われて雪と氷に封じこめられた前哨(ぜんしょう)砦へのろのろと旅をする隊商の護衛をつとめている。荷馬車には布や道具類、武器、塩づけの肉、香料や茶が山積みされている。毛皮やマンモスの牙からつくられた象牙の彫刻と交換する品物だ。北へむかう旅についてはビッグ・ジムはあまり心配していない。野盗は帰り道しか襲って来ないからだ――北部の産物の値打は彼らも認めるところなのだ。
 今回の旅では君は六台の荷馬車の先頭に立って凍結した湖を歩いて横切っている。遠くに氷指(ひょうし)山脈の雪を頂いた峰が低い雲のなかからつき出ているのが見える。目的地は山脈の麓、北部の人々が取引に集まる場所だ。雪が降ってはいるがそう激しくない。荷馬車の重量に耐えられるかどうかを試そうと君が剣で氷をつついていると、とつぜん、狩りの角笛の鋭い音が静けさを破る。君は立ちあがってビッグ・ジムと話すために荷馬車のそばにかけもどる。商人は二台目の荷馬車の御者のとなりに腰をおろしてエリカの根で出来た長いパイプをふかしている。ふさふさした長い顎髭を生やした大男がひとかどの人物なのはだれの目にも明らかだ。動くものがいないかとよく光る青い目を地平線に走らせる。太い声で言う。「前哨砦から聞こえたようだ。お前さん、行って見てくれ。厄介なことになるかもしれん。いそいでもどるんだぞ」
 君はすぐに氷指山脈の麓にある砦にむかう。二時間後、惨事の現場に到着する。雪は血に赤く染まり、木の小屋はすべて叩き潰され、倒壊している。男が六人、体をずたずたに引き裂かれて死んでおり、かたわらの雪のなかに彼らの武器であった斧が転がっている。足跡の大きさから見て、砦を襲った生き物は巨大だったにちがいない。不運な人々のために君がしてやれることはもはやなにもないので、君はビッグ・ジムの隊商に事件を報告するために引き返す。一時間後、ちょうどあたりがくらくなりだすころに隊商にもどり、砦を見舞った恐ろしい出来事を物語る。ビッグ・ジムは部下の安全のために夜間は荷馬車に円陣を組ませるよう命じる。円陣の中央に大きな火が焚かれ、君はそのそばに腰をおろしてビッグ・ジムと話をする。だれもが神経質になっており、外の動きをうかがう見張りが立てられる。ビッグ・ジムは低い声で、このままでは商売があがったりになってしまうので怪物を仕留めてくれないか、と君に頼む。君は微笑し、仕留めてもやろうが金貨五十枚入りの袋と交換だと言う。ビッグ・ジムは唖然とし、いろいろ説得されてやっと君の要求をのむ。君が床(とこ)につくころになってようやく雪がやむ。なかなか寝つかれない。差しせまった狩りのことを考えて頭が働いているからだ。
 夜が明けた直後に目がさめる。焚火は消えかけた燃えさしだけになっている。細い煙が静かに朝もやのなかに立ち昇り、物音一つしない。君は眠っているビッグ・ジムに歩みより、肩をたたく。はっと目覚めた商人に君は、これから出かけるが早ければ今日じゅうにもどれるだろうと言う。見張りに手をふり、ふたたび降り出した雪のなかをまた砦へと歩き出す。

さあ、ページをめくりたまえ

2014/02/24


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