『龍の瞳(原題“Eye of the Dragon”)』の旧版(1982年版)はリビングストン著『Dicing with Dragons』というTRPG(テーブルトークRPG)の入門書の中に収録されていた作品です。項目数も134項目とかなり短めで、能力値や戦闘システムなども今のFFシリーズのそれとはだいぶ異なっています。
旧版では「戦技点」「生命力点」「殺傷式」「運勢点」と四種類の能力値が設定されています。「殺傷式」だけは出発時に決められています(敵に傷を負わせるごとにサイコロ1個分のダメージ)が、その他の3つの能力値はサイコロ3個を振った値が原点となります。
サイコロ3個は、サイコロ2個よりも出る目にバラつきがあり、3点と18点では雲泥の差と言っても過言ではありません。これに加え、原点を超えられないのは少々厳しすぎるのではないかと思います。TRPGの入門書と言うからには冒険中に能力値がどんどん変化させるべきであり、弱いキャラクターがいつまでも弱いままではないというのがTRPGの魅力であり醍醐味だと思います。T&Tでも、初期設定の点数をどんどん超えていきます。
本文は、途中で1本でも道を間違えるともう戻れず、それ以降はどちらの道を進んでもデッドエンドというつくりが多数存在します。少ない総項目数の中で難易度を上げるためにはこのようなつくりにするのは致し方なかったという見方もありますが、しかし、やはり何の脈絡もなくデッドエンドになるのは苛立ちが募ります。新版は1回で(しかも鍵を5本とも入手して)クリアした私も、旧版では数回失敗しました。