海賊船バンシー号 〜不忠の報い〜


 FFシリーズ16巻『海賊船バンシー号』において、部下に対して決して不忠であってはならないということを述べました。今回は、部下に対する不忠の報いをまとめてみることにします。
 部下に対する不忠の報いを受ける番号は155番・182番・379番の3つです。しかも、これら3つの番号はそれぞれ部下に対する不忠の度合いが異なります。そこで、表でまとめることにしました。尚、このまとめは批判屋管理人ALADDINによる独自の判断であることをここに明記します。


場面不忠度総評
155副長をはじめとする船員全員の不平を叱ったところ、船員から矢で胸を射抜かれる 日常生活における目下の人達への態度を即刻改めなくてはならないことを意味している。船長の欲のために死ぬ気はねえよ」という船員の不平を社長の欲のために死ぬ気はねえよ」と置き換えればわかるであろう。副長(副船長)の不平は船員全員の不平である。船員全員の不平が一致し、その不平を副長が代表して訴えている。それに背いては、このような結果になって当然である。
182怪物に仲間を食われて怯えた船員たちの不満がつのり、運悪く置き去りにされる 部下たちの不平に対し無理を押し通そうとした報いである。運だめしで凶と出た場合にこの番号に来ることになるが、これは運の悪い上司の末路を意味する。「やなこった。あちこち危ないところにつれまわされるのは、もうまっぴらなんだ。」という部下の言葉は、部下に無理を強いる上司ほど運の悪い輩であることを如実に示している。
379南風の袋を部下にこっそり開けられてしまい、タクに戻されて敗北が確定する 「首領の言うことを信じないなんて、なにごとだ」と船員たちを力ずくで黙らせた結果である。悪辣非道で残忍無比で知られている者の言うことなど、誰が信じられるだろうか。「俺はお前達の言うことは信じない、だがお前達は俺の言うことを信じろ」と言っているのと同じである。こんな自分勝手な独裁政治は決して長続きせず、陰から徐々に崩壊していく良い例である。

 現実の社会でも「自分以外の社員は全員自分のために働く道具だ」「自分以外は下っ端だ」という態度で社員に接し、社員達の不満を聞き入れず自分勝手な振る舞いばかりしている上層部たちには、必ずその不忠の報いが来ます。そしてその報いは目に見えて表れるのではなく、379番のように陰で見えないところから来るのです。社員に対する感謝の気持ちがなく、不平不満ばかり言っている上層部には182番のように不運が舞い込みますし、最悪の場合は155番のように命を落とすことになります。
 自分一人だけでは組織は成り立ちません。部下達がいなければ事業はできませんし、信頼がなければ部下達は自分の指示に従ってはくれません。ただ部下達に指示や命令を出して絶対服従させるだけが上司の役目だと思ったらそれは大きな間違いです。社員あっての社長(または会長)なのですから。
 155番・182番・379番にたどり着いた上司は、それまでの部下に対する態度を改めないと、将来そのツケが何倍にもなって自分に返ってくるかもしれませんね。

2013/02/01


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