#7119(救急相談センター)の重要性


 先日、私は救急車で運ばれた。幸い命に別状はなかったが、あのとき「もうこれで死ぬんだ。」と思ったことが今も鮮明に記憶に残っている。

 その日の夜、私は電車で座っていた。突如、意識が遠のく感覚がした。両手にも力が入らない。意識を失ったら二度と目が覚めないかもしれないという恐怖心にさいなまれ、思わず「怖い!」と叫んでしまった。
 何とか家にたどり着いたものの、この症状がいつ再発するかも分からず、家族に救急車を呼ぶように勧められた。だが、救急車を呼んで良いレベルか判断がつかなかった。そこで#7119にかけた。症状として「意識が遠のく感覚がすること」「両手の力が抜けていっている」などを#7119の係員に説明したところ、救急車を呼んだ方が良いという判断が下され、救急車到着まで待った。その後は消防隊員や救急隊員の方が色々尋ねてきたので私は受け答えしたが、そのときも意識が遠のくような気がしたので、またもや「怖い!」と叫んでしまったが、救急隊員の方も慣れたもの、救急車に乗る手はずを整え、私は救急病院に搬送された。
 病院で血液検査やCTスキャンなどを受けたところ、脳の異常などはなかった(脳に異常があるときは、右か左のどちらか片方が利かなくなるのが普通で、両方同時に利かなくなるというのはまずないらしい)。私の症状の原因は疲れとストレスによるものだった。自分では気づかなかったが、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいたのだということを思い知らされた。その日の未明のうちに病院を出て、タクシーで家路に着いた。

 あのときを思い出しながら今これを書いている。そして、いくつかのことを学んだ。
 まず、救急車を呼ぶかどうか迷ったときは#7119にかけること。そして、危ないと思ったら自分の症状を少し大袈裟に言うこと(大丈夫などと言ってしまうと#7119の方の判断を狂わせることになってしまう)。#7119がつながりにくい場合は、各都道府県の救急相談センターのダイヤル番号にかけると良い。
 それから、病院への行き帰りのタクシー代も確定申告の医療費申請で有効となること。行きは救急車だったので救急病院までの交通費はかからなかったが、帰りはタクシーで帰ったので、そのときタクシー代がかかった。その費用も医療費申請ができる。
 今度同じような症状が表れたら、もう少し落ち着いて対処できるだろう。それが一番大きいことだと思う。
 近年「指にとげが刺さった」レベルで、まして「帰りのタクシーが呼べない」など病気でも何でもないレベルで救急車を呼ぶということが問題視されている。救急車も無尽蔵ではないので、本当に緊急事態の人が救急車に乗れずに死んでしまったら、もはや殺人罪にも匹敵するだろう。結果的に私は「救急車を呼ばなくても大丈夫なレベル」の症状だったが、#7119の判断により救急車が出動したので、あのときの私には救急車が必要だったと今は確信している。私よりも緊急性の高い人がいたことは確かだが、少なくとも直接119にかけるよりも良い結果が得られたことは間違いない。

 あのとき#7119の方や消防隊員、救急隊員、救急病院の方、そして家族にはお世話になりました。御礼申し上げます。

2016/04/24


直前のページに戻る

『蛇蠍の批判』のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。