バック・トゥ・ザ・フューチャー


 実は、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーもゲームブック化されていた…。

 この事実、ご存知でしたか?
 映画バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back To The Future)と言えば、ご存知ロバート・ゼメキス監督の作品(1985年)です。マイケル・J・フォックスが演じるロック好きの高校生マーティ・マクフライが、クリストファー・ロイドが演じる科学者ドクター・エメット・ブラウン(ドク)の発明したタイムマシンによって30年前(1955年)に旅立ちます。そこで出会ったのは若かりし日のマーティの両親。しかし、マーティは父と母の出会いを邪魔してしまいます。こともあろうに、マーティは実の母親に好かれてしまうのです。何としてでも父と母を結びつけて、歴史を元通りにしなくては、マーティは消滅してしまいます。その過程で、父の疫病神であるビフ・タンネンに立ち向かったり、マーティがこの時代に来た原因―つまり、ドクをリビア人の過激派に射殺される運命から救おうとすべく、マーティは苦戦します。

 ゲームブック版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、東京創元社より出版されました。ソーサリー4巻『王たちの冠』が刊行されてから間もない頃です。
 ゲームブックは、マイケルが1955年に旅立った直後から始まります。
 映画を見ていれば大体どこでどうしたらよいかの見当が付きますが、映画を見ていなくても十分楽しめます。むしろ、映画を知らない方が色々な変化をより楽しめていいのではないかと思います。ちなみに、私は映画バック・トゥ・ザ・フューチャーを、ゲームブックで知りました。私が丁度学研のゲームブックをプレイしていた頃、母が私にこういうゲームブックもあるよ、と買ってきてくれたのがきっかけでした。
 読者の選択次第では、映画とは全く違った展開になります。選択によっては、映画よりも要領の良いマーティを演じられたり、逆に巻き込まれないはずの事件に巻き込まれたりと、様々です。
 各行動をする際、セービング・スロー(Saving Throw…以下STと表す)という判定があります。これによって、各行動の成功率が3分の1〜3分の2で判定されます。また、ある程度STをコントロールできるように運勢値というものがあります。これは最初の値を超えても構わないことになっています。しかし、あまり調子に乗りすぎて運勢値を使ってばかりいると、あまりにも大きな失敗のときにやり直しが効かなくなってしまいます。

 他の国産のゲームブックに比べると、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は値の設定が運勢値のみという非常に単純なものですが、それでも映画を元にしたゲームブックという試みは十分面白いと言えるでしょう。
 しかし、いくつか起こり得ない状況があったり、印刷ミスがあったりするのが難点です。これについては、また別の機会に載せることにします。

 元祖がゲームブック化されたのですから2や3も…と思うのですが、2や3は1ほど人気がないことと、更に今のゲームブックというジャンルの景気を考えるとかなり厳しいと思います。東京創元社も、ゲームブック全般を絶版にしてしまったようですから…。

2005/07/12


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