ナイトメアキャッスル
捕まってしまった!いつもならこんな罠に引っかかるはずもないのだが、今回は、長旅の疲れと馴染み深いニューバーグ城を目前としていたこともあり、少しばかり油断していたようだ。だが、誰だって疲れていれば少しくらい気が緩むときもあるだろう…。
主人公が今向かおうとしていたニューバーグ城は、生死を共にした大親友トールダー男爵の治める土地だった。
ニューバーグ城に着いたら、ひとまず旅の疲れを癒し、それからトールダーとの楽しいひと時を過ごすつもりでいた。しかし、丘から見下ろす馴染み深い城はいつもと様子が違っているような気がした。それにすぐ気づくべきだったのだ。
主人公は、何とか罠から抜け出そうとして頑丈な網と悪戦苦闘した。しかしそれは無駄なあがきに過ぎなかった。たちまちのうちに、聞き慣れぬ言語を発する連中が集まってきて、罠にかかった主人公に集団で攻撃を仕掛けてくる。こうなったら、いくら百戦錬磨の主人公とてひとたまりもない。やがて、主人公は頭に強烈な打撃を食らい、意識を失った…。
FFシリーズ25巻『ナイトメアキャッスル』は、ペーター・ダービル=エヴァンスの著書です。
この冒険は、城内に巣くう侵入者どもを根こそぎ退治するという冒険です。これだけの説明ですと『バルサスの要塞』に似ているかと思われますが、実は内容も主人公の開始状態も10巻『地獄の館』に似ています。それどころか、10巻と同じ、いやそれ以上のホラー作品です。
この冒険において、1つ
注意事項
があります。それは、
絶対に夜1人でこの冒険をプレイしない
ことです。特に、小学校低学年以下の人はこの冒険すらプレイしないことをお薦めします。というのも、この『ナイトメアキャッスル』は、本当に怖いからです。
その恐怖に満ちた描写は、10巻『地獄の館』のそれを上回ります。この冒険では、『地獄の館』の
恐怖点
に相当する
意志力点
というものが定められます。そして、
運だめし
と同じ要領で
意志力だめし
と呼ばれる判定を行うのですが…しかし!そのときの
意志力点
が6点以下のときに
意志力だめし
で
凶
と出るとその時点で発狂してデッドエンド
となります。即ち『地獄の館』で言うところの
恐怖点≧恐怖限界点
状態となるわけです。しかも、きちんと結末まで描写してある分『地獄の館』よりもはるかに怖いのです。毒蜘蛛の餌食になったり、人間から若木になったり、それ以上の描写は恐ろしすぎてとてもその内容をここで書くことはできません(著作権もあるので…)。夢に出て来やすい体質の人は注意しましょう。
意志力だめし
だけではなく、
運だめし
もこれまでより厳しいものになります。この冒険では、たった1回の
運だめし
失敗でとんでもなく恐ろしい結末を迎えます。私が一番怖かったのは163番の「ザカーズの作り出した伝染病に感染して獣同然の姿に変わり果てる」というものです。たった1回
運だめし
で凶と出ただけでこれですからねえ(桑原桑原…)。この冒険では、
戦闘での運だめし
はなるべくなら避けた方が良いかも知れません。
ですがこの冒険は、ほぼ一本道の「真の道」の途中途中で重要なアイテムを見つけられるのも確かです。最初の「南の星」亭の主人との会話から既に冒険は始まっているのです。他人の忠告にはきちんと耳を傾けた方が良いでしょう。この冒険にはパラグラフジャンプがないので、一旦「真の道」を見つければ、クリアするのもそれほど難しくはないと思います。あとは…
運
さえ良ければ…。
商業地区に入った途端に
巾着切り
などに遭うと、その後の冒険が
非常に困難
になります。仮に食糧を掠め盗ることに成功しても、その後の老ゴブリンとの取引は…。それにしても食べ物を盗んだだけで捕まったら
死刑
とは、随分ニューバーグも寂れた街になったものです。
この冒険において、ひとつだけ処理の問題があるとすれば、40番の牢獄です。他の扉に鍵がかかっている中、この扉だけは鍵が指しっ放しだとすればやむなくこの扉から入るのはわかります。しかし、この城に入っている主人公は既に幾分か疑心暗鬼になっているわけです。どうして「どちらも助けずに先へ進む」という選択肢がないのでしょうか。この牢獄では何も得られるものがないばかりか、
運だめし
で凶と出ると前述した163番のデッドエンドになります。この場面では、恐らく多くの人が「急いで先を進む」という選択をすると思いますが、その選択がないのが合点がいきません。
ホラーものの作品はみんなそうなのかも知れませんが、この冒険は
最終ボスのザカーズよりも途中に出てきた怪物の方が怖かった
です。強さはもちろんザカーズが圧倒的に強いのですが、心理的には「こいつさえ倒せば平和が戻る」という気持ちになれる分ザカーズの方がまだましでしょう。
先日、この冒険の食糧として出てくるミートパイを食べてみました。ひき肉が入っているので、あまり保存食には向かないかもしれません。この冒険の全体的な日数はせいぜい1日半〜2日といったところですから、許容範囲というところでしょうか。それでも、三食全部ミートパイだと飽きます(笑)。
2005/07/01
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