トカゲ王の島


 ファングから、安息の地としては最適な場所であるオイスターベイに着いた主人公は旧友マンゴと再会します。しかし、マンゴはいつになく暗い表情をしていました。いや、マンゴだけではなくオイスターベイの住民全員が暗い顔をしていました。
 マンゴの話によると、火山島に棲んでいるトカゲ王率いるトカゲ男の一団に、オイスターベイの若者達がさらわれてしまったそうです。さらわれた若者達は、火山島で奴隷として金山で働かせられているそうです。環境が劣悪なため、当然ながら死者も多数出ました。
 また、トカゲ王はブードゥー魔術や黒魔術を駆使する危険な存在であることも知られています。主人公は、マンゴと二人でトカゲ王のいる島に赴きますが、マンゴは途中で戦死してしまいます。主人公は、オイスターベイ住民のためにも、そして死んだマンゴのためにも、そして自分自身のためにもトカゲ王を倒してオイスターベイに平和を取り戻す決心をします。

 FFシリーズ第7巻『トカゲ王の島』は、リビングストンの作品です。
 島嶼での冒険は、FFシリーズでは初めての試みです。14巻『恐怖の神殿』の付録にもあるように、島嶼が舞台ならば周りは海でしょうから、描ける範囲も決まってきます。それだけに島の内部を充実させなくてはなりません。ですが、そこはさすがリビングストン。魅力的な要素をところどころに散りばめています。
 まずは、トカゲ王の秘密を知るという呪術師。彼には必ず会うことになります。そして、「生きることすら許されざる生き物」と呼ばれるゴンチョン(ゴンコーン)。ゴンチョン自体は大して強くありません(技術点5体力点5)が、他の生き物に寄生することができるのです。触手を寄生主の脳に潜り込ませると、寄生された哀れな犠牲者は完全にゴンチョンに支配されてしまいます。ゴンチョンが死ぬと寄生主も死にますが、寄生主が死んでも単にゴンチョンの命令を受け付けなくなるだけで、触手を引き抜けばまた別の生き物に寄生することができます。寄生主が生きている間にゴンチョンを殺せば、寄生主を救うことができるかもしれませんが、当然のことながらゴンチョンは寄生主を戦わせます。このときは寄生主の技術点体力点は、それぞれ本来の値の5点増し(ゴンチョンの分)になります。つまり、技術点が7点の敵でも、ゴンチョンに支配されると一挙に12点になるわけです。信じられないくらい強くなります。
 表紙のカバーに、トカゲ王の頭に何やら昆虫みたいな手足がありますが、それこそゴンチョンなのです。もしかすると、トカゲ王すらゴンチョンの哀れな犠牲者だったのかも知れません。

 ところで、121番の残り49人の奴隷を救い出すのにサイコロを使った場面。

 〜奴隷たち全員を見つけて救いだすのに、君は戦闘を重ね体力点2(4)を失う。〜

 これが手抜きの文章に思えるのは、私だけでしょうか…。

2005/05/28


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