盗 賊 都 市
『盗賊都市』は、アランシア地方にあるポートブラックサンドが舞台です。
主人公は、シルバートンの市長であるオウエン・カラリフから「サンバー・ボーンを倒してくれ」と依頼されます。そして、そのザンバー・ボーンを倒す秘密は、ポートブラックサンドに住んでいるオウエン・カラリフの友人であるニコデマスが知っているとのことです。主人公は、ニコデマスに会いにはるばる西へ約80kmのポートブラックサンドに赴きます。しかし、盗賊都市ポートブラックサンドは、城砦都市カーレに負けず劣らずの無法地帯です。これだけの邪悪な都市で生き延びるには相当の抜け目のなさが必要です。そして、ニコデマスからザンバー・ボーンの棲んでいる塔への道を聞き出す必要もあります。果たして、ポートブラックサンドを無事に脱出できるでしょうか。そして、ザンバー・ボーンを倒すことができるでしょうか…。
この『盗賊都市』は、冒険の舞台がどことなく『城砦都市カーレ』と似たところがあります。扉を一つくぐるだけでも、角を一つ曲がるだけでも命懸けのところなどはそっくりです。ただ、カーレはまだ権力者達が義人であるのに対し、ポートブラックサンドは権力者が破壊と混沌の元凶である分、やはりポートブラックサンドの方が無法さでは勝っているかもしれません。
この冒険は、途中いくつかの分岐はあるものの基本的にはほとんど一本道です。クリアに必要なアイテムは、必ず通る道に全てあります。そして、それらのアイテムを入手する情報も、少し寄り道すれば聞かれるように出来ています。自分なりに地図をつくってみるとそれがわかります。
ただ、ポートブラックサンドを出た(脱出した)時点で、ニコデマスに指示されたアイテムが全て揃っていなければ即デッドエンドというのは気に入らないところがあります。読み進めばわかるのですが、必要な3種類の混合物のうち1つは不要なわけですから、そのままサンバー・ボーンの塔への道を歩いて行けばいいわけです(さすがに混合物以外のアイテムの欠如は仕方ありませんが)。それに、「3種類とも混ぜては効果を失う」ものなのでしょうか。2種類と3種類の物質の
化合物
ならば、化学的に考えると性質が違うものでしょうが、化合物ではなく
混合物
ですからねえ。3種類とも混ぜればよいような気がするのですが。ところでこの混合物、正しい組み合わせの手がかりはどこで手に入れるのでしょうか。読者の勘に委ねるしかないのでしょうか…。(確か『ドラゴンの目』(ゴールデンドラゴンファンタジーシリーズ)でもこれと似たような三択があった気がします。)
ポートブラックサンドを舞台にしたFFシリーズには、29巻『真夜中の盗賊』もあります。『真夜中の盗賊』にも、ニコデマスが脇役として登場します。
次の第6巻『死のワナの地下迷宮』では、<粉屋通り>で出くわした残忍無比なサワベリーの姉アイビーが登場します。「彼はポート・ブラックサンドで立派にやってるわ。いまじゃアズール卿の精鋭部隊の近衛兵よ。わたしは彼をとっても誇りにしてるのよ」というセリフを聞くことができます(姉弟揃っての醜いトロールどもめ)。
ちなみに、私は問答無用でサワベリーを殺しました。
…ふっふっふ、『毒のアイビー』よ。
弟の仇はお前さんの目の前にいるんだよ
。
2005/05/25
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