バルサスの要塞


 ファイティング・ファンタジーシリーズ(以下FFシリーズと呼びます)の第二弾は、『バルサスの要塞』です。この作品は、前作『火吹山の魔法使い』の著者のうちの一人であるスティーブ・ジャクソン氏です。
 スティーブ・ジャクソン氏には「同じ系統のものを二度とは書かない」というポリシーがあるらしく、以降の続刊もジャンルを変えています。あの『ソーサリー』ですら、4巻とも系統(舞台設定など)が少しずつ違うようです。これについては、また後ほど述べることにして…。  前作の『火吹山の魔法使い』の舞台は(注)地下迷宮(ダンジョン)でしたが、今度は地下の砦です。
 今回は、任務をおびてバルサス・ダイヤのいる砦に踏み込みます。バルサス・ダイヤから<柳谷>の領民を救うべく、乗り込むわけです。
 そして、この『バルサスの要塞』の主人公は<太古の大魔法使い>の一番弟子ということで、なんと魔法が使えます。『ソーサリー』の魔法のように、体力点と必要アイテムさえあれば何度でも唱えられるものではなく、1回使ったらその魔法は使えなくなってしまうというルールです(そういえば、セプテム・セルペンテース氏の『凶兆の九星座』もこちらのタイプでした)。適材適所、必要な魔法の術を必要なところで使わないと結構厳しい面があります。
 ストーリー的には、とりあえず<黒い塔>の内部までならば比較的スムーズに通り抜けることができます。しかし、内部に入ると、ガンジーヒドラといった、普通の方法では倒せない強敵が揃いに揃ってお出迎えという歓迎ぶりです。本当は、ガンジーなど撃退してやりたいところです。現に撃退するアイテムも手に入るのですが、これを手に入れてしまうと大切な手がかりを得られなくなってしまうという罠があります。また、ガンジーの部屋を通り抜けた先のヒドラもなかなかの曲者で、アイテムを使う方で成功率は3分の1、術を使う方で成功率は50%(ソーサリーで言うところのKINを3回使うことになります)、少し運が良くないとクリアできないのです。そして、極めつけはバルサス・ダイヤの部屋の鍵です。「これがソーサリーならDOP一発で開けてやる〜!」というところなのですが…これは、どこかの図書室で情報を手に入れるしかありませんね。
 で、最後はバルサス・ダイヤとの決闘ですが、前作のザゴールよりも少しだけ強くなっています(ザゴールの技術点、体力点にそれぞれ+1した強さです)。その他に、色々な技に長けています。ですが、太陽の光には弱いようです(笑)。
 バルサスを倒したら、今度は<黒い塔>から脱出する必要があります。バルコニーから飛び降りても怪我をしないように術を使えればよいのですが、そうでなければ帰り道はちょっと大変なことになります。しかし、塔の主は倒しているので、行き程危険ではないでしょうが…。

 何よりも、ガンジーが強すぎます。ひょっとすると、バルサス・ダイヤそのものよりも手強い相手かも知れません。このゲームブックを初めてプレイされた方の多くは、ガンジーに殺された(バルコニーから転落死)かと思います(実は私も数え切れない程ガンジーに殺されました)。
 このゲームブックも、前作『火吹山の魔法使い』同様、真の道や、その他色々楽しめるアトラクションがあります。特に、賭け事の部屋とかは任務そっちのけで楽しんだ記憶もあります。〜〜命が惜しかったら<ナイフ・ナイフ>はしない方が無難です(笑)。

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 『火吹山の魔法使い』では「ダンジョン」のことを「地下城砦」と称していますが、この表記ですと「地下の砦」と表現が重複するので、ここでは敢えて「地下迷宮」と表現させていただきました。

2005/05/22


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