都立日比谷高校の受難


 2019年3月、都立日比谷高校が二次募集を行うことを発表した。
 私立・国公立を問わず、二次募集を行う学校というのは大抵「生徒の人気がなく集まりにくい」学校であり、どの学校も「不本意ながら」二次募集を行うのが現状である。
 都立日比谷高校は、平成31年度の都立高校入試において、この「不本意ながら」二次募集を行う形となってしまった。仮にも、都立高校のトップと言われ、かつては東京大学への登竜門でもあった都立日比谷高校が二次募集を行うなど、不本意も不本意であろう。
 理由として考えられるのは、学芸大学附属高校が都立の発表を待たなかったというのが通説であるが、もっと深く掘り下げて考えると、日比谷高校の負の一面が浮き彫りになってくる。単純に言うと、「学芸大学高校の進学が決定している連中が力試し本位の冷やかし半分で受験し、学芸大学高校進学決定者の多くが合格した。当然その連中は日比谷高校への入学を拒否し、その人数が日比谷高校の補欠者を上回り、日比谷高校は二次募集を行わざるを得なくなった。」ということである。
 まず、「学芸大学高校進学決定者」がなぜ都立日比谷高校を受験したか。理由としては、塾側から「実績を上げるために受験を勧められた」または「入学試験料がもったいないから受験した」などが多く挙げられているだろう。これについては賛否両論あるだろうが、受験や入学の可否は各受験生に委ねられているから何とも言えないところである。
 次に、受験生が学芸大学高校と日比谷高校のどちらを選んだかというと、これは言うまでもなく、学芸大学高校を選んだ受験生がほとんどである。都立日比谷高校の説明会は劣悪で、本当に日比谷高校に行きたければ説明会に行くべきではないという奇妙な格言が成り立っている。これとは逆に、都立戸山高校の説明会には行くべきであるという格言も成り立っている。都立日比谷高校の教員たちは、都立高校のトップであることに思い上がり、説明会の努力を怠ったことのではないだろうか。
 いずれにせよ、平成最後の都立高校入試は、都立日比谷高校にとって良い薬となったであろう。念のために言っておくが、生徒に罪はない。都立日比谷高校の教員たちは、もう一度自分たちが思い上がっていないかを考え直す必要があることは間違いない。
 新年度が始まって、新しい環境に慣れ始めた今でこそ、この『批判』をすることにする。平成最後の『批判』が都立高校の話とは、何という取り合わせだったのであろうか。


2019/04/15


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