楽して点取れ


 私がいつも心がけていることの一つに「をして成果を上げる」というものがある。これを生徒向けに解釈すると「をして点を取る」ということになる。しかし「をする」という言葉には「悪い」イメージがあるのも昨今の風潮である。それは「手を抜く」ことと混同しているからである。
 よく、視野の狭い会社の上司や大学教授などが高圧的な態度で「をするな」と言っていることがあるが、これは明らかに「手を抜くな」の誤用である。「をするな」と言う輩に限って要領が悪く、簡単に解決するはずの問題をわざわざ難しくし、話をこじらせる傾向がある。
 「をする」とは決して「手を抜く」という意味ではない。成すべきことを最小限の努力で最大限の効果を上げることを「をする」という。これに対し「手を抜く」とは、成すべきことを成さずにごまかそうとすることであり、一昔も二昔も前から政府の行なっていることこそが「手抜き」に相当する。
 もともと、人間はをしたがる生き物である。をしたいと思ったから様々な発明を生んだ。例えば、自転車をはじめとする乗り物がそれである。「に」移動したいという欲望が乗り物という発明を生んだのである。「をするな」と高圧的な態度で言う輩こそが「に」移動できる交通手段の恩恵に肖っていることを忘れ、「手抜き」をしていることが多い。最大限の成果を上げるために工夫した努力の結果こそが「」であり、ごまかしの「手抜き」とは一線ならぬ二、三線以上画す。
 をするための工夫こそが、本当の努力ではないかと思う今日この頃である。

2012/06/26


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