日本漢字能力検定協会の措置


 先週(2月4日)、今年初めての日本漢字能力検定(漢検)が実施されました(公開会場にて)。
 そのとき、問題冊子にこれまでにはない処理がされていたと思います。――そうです、袋綴じです。
 初めて漢検を受検された方はご存知ではないかもしれませんが、わざわざ袋綴じまで行い、その上開封日の指定や、あるいは会場によっては問題冊子の回収など、厳重とも言えるこの対応は、昨年まではありませんでした。

 既に周知ではありますが、平成18年度第2回(2006年10月実施)の2級の問題が、実施日にインターネットに流出していたという、あってはならぬ事件が発生しました。推測するに、犯人は2級の問題を検定の実施日前に入手し、それらをインターネット上の掲示板に掲載したと思われます。2級の受検者が準会場などで実際の実施日前に受検し解答をもらい、それをインターネットに掲載したか、あるいは絶対に考えたくないことではありますが、漢字検定協会で問題を取り扱った者の中に悪意を持った者がいたという可能性もなくはありません。いずれにせよ、ある程度の権威を持った者が犯人であることは確かです。日本語教育研究所に所属している私もこの事件は許されがたいと思っており、今後このようなことが起こらぬよう私なりに目を光らせてはいますが、残念ながらこの事件はおそらく迷宮入りとなることでしょう。
 このような理由により、今回から7級以上の漢字検定の問題は袋綴じの措置がとられています。受検者の皆様につきましては、問題冊子を開封する際問題冊子を破損されないよう(笑)ご注意申し上げます(私が準会場の監督をしたとき、問題冊子を破損してしまった人がいました…)。
 また、準会場の最高責任者への注意事項を申し上げます。
 指定された日付以外の日には絶対に開封しないでください。指定日より前の開封などもってのほかで、指定日より後の開封は問題の解答が公に出回っているので正式な試験問題としての効力を失うことをお忘れなきようお願いします。
 また、問題用紙の回収をする理由は、言うまでもなく書面での問題流出を防ぐためです。やむを得ず問題用紙を回収しない場合は、問題用紙の管理を受検者に徹底させるようご指示ください。
 以上のことを守らない準会場は、二度と準会場として使わせてもらえなくなるということもお忘れなく。

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※ 尚、詳細は、日本漢字能力検定協会のこの記事をご参照願います。

2007/2/11

2011年4月より「漢検生涯学習ネットワーク」と改称(2011/02/01)


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