「ドラえもん」の主人公は実は…


 著者の故藤子・F・不二雄氏(1933〜1996)の意図としては、「ドラえもん」の主人公はタイトル通りドラえもんでしょう。しかし、最近私が思い始めたのは、実は藤子・F・不二雄氏の意図としては、ドラえもんの主人公はのびちゃんのような気がしないでもない、ということです。

「僕は子供の頃のび太でした」

という藤子・F・不二雄氏の言葉は有名ですが、確かに映画(大長編)ドラえもんでは、必ず「のび太〜」という副題がついています。それに、ドラえもんの第1話「未来の国からはるばると」の第一コマや6巻最終話「さようならドラえもん」の最終コマを見ると、のびちゃんがうつっています。
 とすると、これは著者の少年時代がある程度入っているのではないかと思います。そういえば、野比家は著者の生家(富山県)を基にして造られていますし、野比家の色々なエピソードも著者の家のエピソードとかなり関連しているところがあると言います。
 それにしても、キャラクター紹介に「のび太 何をやってもダメな子」とあり、その後に「のび太にも特技はある」と書いてありますが、あれは全くの逆だと思います。
 のびちゃんには特技がありすぎるのです。綾取りの事典がつくれるほどの腕前で、不眠症知らずの寝入りのよさ、そして、オリンピック選手に匹敵(もしくは宇宙レベルとも言われる)射撃の腕前、これだけの特技があって、なおかつ学校の成績が中の下くらいだったら周りは羨望のまなざしでのびちゃんを見ることでしょう。そういう意味では、のびちゃんの学校の成績が悪いという設定は釣り合いを取っているのだと思います。
 「ドラえもん」から派生した「友情伝説ザ・ドラえもんズ」や「ドラベース」なども、のび太なくしてはありえなかったと思います。
 「子供の頃のび太だった人は、己の作品と共に永遠に名を残す」のかも知れませんね。

2005/08/07 ← のびちゃんの誕生日です!


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