試験時間が理解できない某国立大学生


 これから述べることは、私が先日、とある模擬試験の本部業務を行っていたときに実際にあった話である。私の主観が入っているため、事実と若干ずれるものがあるが、ご了承いただきたい。
 私は責任者に準ずる役割であり、本部からの指示が行き渡っているかどうかの総括をしていた。各教室の試験監督を見て回り、進行に問題がないかどうかを1つ1つ確認していた。その中で、要注意と思われる試験監督が1人いた(後で知った話だが、その試験監督は某理工系国立大学の現役学生であった)。その試験監督は、私が見回りで声をかけたときも、全くと言っていいほど無反応だった。他の教室の試験監督の中には、自分では判断できないことを事細かく本部に聞きに来た人もいたというのに、その要注意監督は分からないことがあっても自分からは聞こうとしなかった。試験の時間割の掲示で間違っていた箇所があったが、私が指示するまで自分で直そうとは決してしなかった。私は、この監督が何か自分勝手なことをするのではないかという嫌な予感がしていた。予感だけならばまだ大問題は起こらなかったであろう。しかし、私の予感は当たってしまった。
 模擬試験も終盤にさしかかるころ、私はその試験監督の教室へ赴く用事ができた。私が教室に入っても相変わらずその監督は無反応だった。これだけならば何も問題は起こらなかった。というのも、私が教室に赴いた理由は、試験監督にではなく受験者に用があったからだ。ところが、私が受験者への用事を済ませたところ、試験監督は終了の合図もなしに「解答をやめてください。」と勝手に言い出したのである。その試験は私が試験終了の合図をすることになっており、その合図によって試験が進行する手はずだった。どういうことかと尋ねると、その試験監督は遅れているから試験時間を短縮して追いつこうとしたとのことだった。なぜそのような勝手なことをしたのかを問い詰めると「試験時間を短縮する」指示を本部から受けたのだという(無論、本部からそんな指示は一切出ておらず、この監督の全くの思い違いである)。これには驚いた*注*。私の試験終了の合図こそ本部からの毎回の指示だというのに、それを全く無視して勝手なことをしていたわけである。この監督の行為により、その教室の受験者たちから模擬試験の主催者側へ大量のクレームの電話が殺到し、後日1件1件謝罪の電話をする羽目になってしまった。
 模擬試験というのは、本番を想定して行われるものである。もし、何らかの理由で試験時間が予定通りに行われなかった場合は、本番の試験においても時間を繰り下げるのが普通である。その試験監督も大学入試のときに分かっているはずだ。なぜ試験時間を短縮するとまずいのか、それは教室によって不公平が生じるからということになぜ気づかないのか。その試験監督の通っている某国立大学は名前だけで理工系であることがわかる大学で、実験の時間などその重要性は理解しているはずなのに…。国立大学の中にもこのような輩がいるのか、それともこのような輩が普通にいるほど国立大学が地に落ちたのか、いずれにせよこの試験監督はもう使わない。

*注*
 漢字検定などでもそうですが、会場本部の試験開始の合図で開始できなかった教室は、開始に遅れた分だけ終了時刻を繰り下げ、試験時間は規定の時間通り行われます。勝手に試験時間を短縮をすると、実施要項に反することになり、結果的に受験(検)者を騙したことになります。

2015/09/14


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